不安を克服するカウンセリング・・自信を取り戻すこと
こんばんは。臨床心理士のちむです。
1月といえば、センター試験の時期ですね。
大学受験をする高校生は試験勉強に明け暮れている頃でしょうか。
病気を患った時は、自分自身に自信を失うことが多いです。
受験で試験を突破するにも、難しい仕事を成し遂げるにも、この「自信」がなければ達成することはできません。
私の行うカウンセリングでは、この目に見えない「自信」を回復させることができます。
自信の回復
私が以前、相談支援していた若い男性についてご紹介します。
不安障害を抱えていて、とにかく何かに依存しなければ不安で不安でたまらない、、という方でした。
自分に自信がないため、いつも「先生だったらどうしますか?」「どう思いますか?」と聴いてきます。
「では、こうしてみてはどうですか?」と提案しても、「でも・・」と、前に進む決断はできない、という状態でした。
彼は私とのカウンセリングの中で、いつも私の考えを確認することで、自分が間違っていないだろうか?という不安を和らげていたのですが
自分自身について振り返る作業を繰り返し行うことによって、「今のままの自分でいいんだ」という自己肯定感が高まっていきました。
彼の生い立ち、彼が自分についてどう思い、どんな葛藤を持っているのか?どんなことが好きなのか?何をしたいと考えているのか?家族との関係はどうか?etc
私からの問いかけに答える形で、彼は自己を語り、私が彼の語りをしっかりと汲むことによって信頼関係が生まれ、何をしたいと考えていらっしゃるのか・・、自分でもごちゃごちゃになって整理のつかなかったことの整理を進め、ネガティブで非建設的と思われる考え方についてはより前向きな考え方を形成できるようにとサポートしていったのです。
初めはいつも躊躇していた彼でしたが、少しずつ前向きな考え方ができるようになっていきました。
そのきっかけとなったのは、「今やりたいこと」の選定です。
今やりたいこと
学校を中退し、仕事も中途半端で、20代中ごろに収入もなく両親の全面的なお世話になっていました。
かなり身体の大きい人で、あまり自分の話をしない・・そんな印象の彼でした。
カウンセリングの中で「今やりたいこと」に焦点化して話をすすめていくと、まずダイエットを取り組みたいとおっしゃったのです。
私はコーチの役割を担い、彼のダイエットを応援しました。
本当に粘り強くて、「こんなに毎日努力できるものなんだ・・」と私が関心させられるほど、彼は努力を重ね、ついには目標を達成したのです。
確かに、ダイエットと聞くと、「病気と関係あるのか?」と思われがちですが、大切なのはご本人が心からやりたいと思えたことであることが大切であり
それを達成することによって、自信につながっていくのです。
実際、彼は不安障害のほかにも色々な心理的問題を抱えていましたから、決めたことを続ける・継続することが難しい人でしたが、彼を常に励まし続けることによって、本来の自己肯定感を取り戻していきました!
この継続ができたのは、ダイエットという「彼がしたいと思っていること」だからです。
誰だって、人から指示されたことを好き好んでやる人はいません。
自分が選んだことだからこそ、続けることができたのです。
その後、彼は中退した学校に再度入るために受験勉強をし、見事合格しました。
私は彼の受験勉強やその対策にも協力しましたが、彼は時には泣き言を言っても、頑張ることをやめず見事目標を達成することができました。
家族から「幾つも病院を回ったのに、こんなに変わったのは初めて!」と喜ばれました。
きっかけは何でもいいんですね。
ただ、やり遂げることができるものを選ばなければ、また失敗や挫折の繰り返しなのです。
失敗や挫折をしないために
病気を治そう、病気を治そうと努力することは大切です。
それで良くなることもたくさんあるでしょう。
でも、まずは一つ、自信につながること、掃除や片づけ、お弁当を作る、ダイエットをする、美容に手間をかける・・どんな些細な事からでも、やり続けるのは大変で、それができたときには「自分にもできる」と思えるもの。
病気を治すことも同じことだと思います。
治すために日々やらなければならないことをしっかりとこなしていかなければ治すことはできません。
紹介した彼も、次第に不安感を訴えることは減り、間接的に症状がやわらいでいきました。
最初来院した際には、ものすごーーく暗い表情で、常に世の中を斜めにみていた彼でしたが、カウンセリングによってやりたいことをいくつも見つけ、キラキラとしている姿に変わっていったのです。
合格を報告しに来てくれたのは確かこの時期だったなぁ・・なんて思い出してしまいました。
カウンセラーの役割は、ただ治療法を提示するだけではありません。
病気のセラピーをマニュアルどおりに施すことでもありません。
その人の心を動かし、その人がなりたい自分に近づくようにと働きかけていきます。
今では彼はカウンセリングを卒業してしまいましたけど、彼と一緒にやった受験勉強やテスト対策を懐かしく思ってしまいました。
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