自律神経失調症を自分で改善するための対処方法

jibun

「いつも身体がだるくて思うように仕事が進まない」「肩こりがひどい」「胃腸の具合が悪くなったりする」などの体調の異変を感じて病院へ行き、様々な検査を受けたにも関わらず「特に異常はありません」と言われたら、それは自律神経失調症の可能性があります。

自律神経失調症とその原因とは

ストレス男女(画像)

自律神経失調症は、自律神経やホルモン、脳内の神経伝達物質のバランスが崩れることで現れる様々な身体的、精神的な不調のことを言います。

明確に自覚症状があるにもかかわらず、病院で検査を受けても異常が無いとして、原因がわからないままになることが多いです。

自律神経失調症の現れ方は、心身症の症状とは違い、一定の場所に固定されません。

例えば、胃潰瘍とか、緊張性頭痛のように決まった症状ではなく、全身倦怠感やめまい、肩こりなど様々な場所から症状が次々に現れてきます。

その症状も具合が良い時もあれば悪い時もあって一定ではありません。

そのため、気のせいだととかやる気の問題というように片づけられてしまいます。

どうして、自律神経やホルモンバランスが崩れてしまうのでしょうか。

よく言われているのが、ストレスです。人間関係や環境の変化に適応しきれない、その人のキャラクターや気質の影響も大きく受けています。

そのほか、睡眠時間が確保できなかったり、バラバラであったり、飲酒や喫煙の習慣、食生活の偏りなどの生活リズムに乱れが生じることでも、自律神経は崩れてしまいます。

身体症状や精神症状の特徴

腹痛女性(画像)

自律神経失調症による身体症状の例としては、全身倦怠感、食欲の低下、睡眠障害、動悸や息切れ、息が詰まる感じ、めまい、手足のしびれ、下痢や便秘など、またイライラや焦燥感、抑うつ気分、集中力の低下、興味や関心の低下、記憶力の低下などの精神症状があり、多種多様な症状があります。

特徴としては、先ほども述べたように、症状が一定でなく、様々な場所から不調が出ること、その不調は出たり止んだりすることがあげられ、非常に個人差が大きいと言えます。

全身に現れる症状:めまい、ほてり、冷え、全身倦怠感、立ちくらみ、日中の眠気、疲れやすい、朝すぐに起きられない

精神に現れる症状:気分が落ち込む、ふさぎ込む、イライラ、不安感、気分の変調、集中力の低下、短気、情緒不安定、人に会いたくないと思う、無気力、情緒不安定、些細な事が気になる

各部位に現れる症状:頭痛、偏頭痛、耳鳴り、味覚異常、唾液が多くなる、口渇、首こり、吐き気、食欲がない、消化不良、下痢や便秘、腹部膨満感、血圧が上がる、多汗、汗が出ない、関節の痛み、筋肉痛、肩こり、目の疲れ、異物感、ドライアイ、のどの異物感、息苦しい、息切れ、手足がしびれたり、力が入らない、指先の震え、残尿感、トイレが近い、足がだるい、足先の冷え、勃起障害、不感症、生理痛や不順、など。

 

なりやすい人の特徴

肩こり男性(画像)

自律神経失調症になりやすいと言われている性格特徴があります。

というのは、同じような環境に置かれていても、病気を発症する人としない人に分かれます

それには、元々の気質、体質や出来事のとらえ方や価値観、性格が影響すると言われているんです。

ものの考え方としては例えば、神経質で色々なことをクヨクヨと考えてしまう、ささいなことも気になってしまう、周囲からの評価が気になる、いつも周囲の目を気にしている、気持ちをうまく切り替えられないといったことが挙げられます。

また、気質や体質としては、低血圧や消化器症状(下痢や便秘)を起こしやすい、やせ型で虚弱体質、アレルギー体質である、月経の異常がある、といったことが挙げられます。

また、男性よりも女性のほうが自律神経失調症が多いと言われていますが、それは女性がホルモンの影響をうけやすい身体の構造だからだと言われています。

「精神的に弱いから」ではないんですね。

うつ病と自律神経失調症の違い

男性と影(画像)

まず、うつ病については別記事でご説明した通りです。

うつ病はひどく気分が落ち込んだり意欲が低下するなどの精神面の症状が強く現れる病気です。

しかし近年では、うつ病が軽症化、身体化する傾向があり、精神症状より倦怠感、頭痛、動悸、不眠、食欲低下、息苦しさといった身体面の不調が強く現れるケースが増えてきています。

(身体化とは、気分の症状とは異なり、心理的なことが影響して身体的な症状を生じることを言います)

そして、身体症状が前面に出て、精神症状がみえにくくなる状況が時々みられます。これを「仮面うつ病」と呼びます。
同じような身体症状がある場合でも、背景にある病気が異なっているので、それぞれ違ったアプローチが必要になってきます。

仮面うつ病の場合には、身体へのケアでもなく、自律神経失調症でもなく、うつ病に対するアプローチを適切に行うことが大切になってきます。

というのは、仮面うつ病は、自律神経失調症と誤診されることがしばしばあるのです。

これは症状の経過を見ながら判断されていくこともありますが、身体的治療として長い経過を追っても、症状に変化がなく、治療方針も変わらないような場合には、実は背景に隠れた精神疾患を見逃している場合もあります。

その際には、思い切って主治医を変えることも良い方法だと思われます。

それでは、うつ病と自律神経失調症の違いをまとめていきましょう。

うつ病:気分の落ち込みや意欲の低下などの精神症状が背景にある。

不眠や頭痛などの身体症状が付随する場合も認められる。

同様の状況がおおむね2週間以上続いている。

自律神経失調症:定義があいまいである。

心理的問題から起因する身体症状がみられる。

心理的問題とは、感情を言語化できないこと、ストレスを抑圧で対処する傾向があること、身体感覚への自覚が乏しいことなどがあげられます。

それでは、具体的な事例を通して 違いを学んでみましょう。

ケース1

B夫さん(男性、30代、会社員)は、先日主任から課長へ昇進が決まりました。

奥さんもすごく喜んでくれています。課長へ昇進してから、新しいプロジェクトも任され、張り切っています。

毎日残業が続いていますが、「結果を出すため」と頑張っています。

しかし、思うように結果がついてこないことから焦りも見え始めました。

3か月が過ぎたある日、微熱が続いていましたが、「疲れがたまっているな」と思い、気に留めず毎日残業を続けていました。

ところがある日、ひどい頭痛と肩こりを感じました。

妻:「今日は休んだら?」

B夫:「いや、今日もやることがあるし、アポイントもある。休むわけにはいかないよ」

それから3か月後。成績は思うように伸びない中、部署内でトラブルが発生します。

うまくトラブルを回避できなかったことで、社内ではB夫さんを批判する声も少なからず聞こえてきました。

B夫:「自分は能力が足りないのではないか」「自分がもっと頑張れば」

という気持ちに苛まれるようになります。

その1か月後、B夫さんは朝ひどい倦怠感で起きられなくなります。

心配になった奥さんが話を聞いてみると

妻:「無理しすぎなんじゃないの?今日はお休みしましょうよ」

B夫さん:「大したこともしていないのに、動けなくなるなんて。情けない・・。自分は課長の職は合わないのかもしれない。」

動けなくなり、微熱や頭痛が続いているB夫さんが1週間休んだある日のこと

B夫さん:「自分はもうだめかもしれない。社会になんの役にも立っていない。」「家でもこうやってゴロゴロして。自分はいないほうがいいのかもしれない」

心配になった奥さんは、B夫さんを心療内科へ連れて行きました。

ケース2

C美さん(女性、20代、事務員)は、小規模な会社で事務員として働いています。

同じ業務を担当している女性3人とともに業務をしています。

いつもの社内の昼食時間、一緒にランチタイムをしていた同僚E子さんとF代さんが、ささいなことで気まずい雰囲気になり、その後お互いに避けるようになりました。

気にかけたC美さんは、気遣っていましたが、関係はもとに戻りません。

同じ社内であるため、一緒に業務を同じ部屋でこなすのですが、3名とも会話もなく、話しかけづらい雰囲気のまま1か月が過ぎました。

「元のように皆で仲良くやれればいいんだけど・・」と思うのですが、それを誰かに相談することもありませんでした。

C美さんは「他人に話したところで、相手も迷惑だろう」と考えていたのです。

とはいうものの、親しい友人には状況を話していました。

友人:間に挟まれて大変だったね。そんなことがあったんだ!

C美:大変だったのかな?よくわかんない。でもよく考えたら、彼女たちもストレスがたまっていたらしいんだよね。

と話し、どこか他人ごとのようでもあり、「こんなことがあった」と状況説明はできても、その時に感じた気持ちを素直に表出することはできませんでした。

どこかで、「怒りや悲しみを出すのは恥ずかしい」「怒りや悲しみを他人に見せてはいけない」と感じていたようです。

また、ケンカや対立が苦手で、良い雰囲気で過ごしたいという思いが強いため、他の人に気持ちをぶつけることはこれまでもしてきませんでした。

しかし、問題は解決されず、半年が過ぎました。

ある日、C美さんは体調の変化に気づきます。倦怠感が強く、朝起きられなくなります。

胃のムカムカやめまいが一日中続いているのです。

気分が悪いため、職場を早退し、病院受診しました。

※上記2つのケースは、同様に身体症状を表していますが、その後のアプローチは変わってきます。

ケース1の続き

B夫さんは、心療内科を受診しました。

主治医とのやりとりでは以下のようなことが話されていました。

精神科医師:「どのようなことにお困りですか」

B夫さん:「将来について、良いイメージが持てない。自分はこれから悪い方にしか行かないと思う」「生きていても仕方がないんじゃないか」

と話し、過去・現在・未来についてのネガティブな思考 が認められました。

彼はうつ病であると診断されます。

うつ病の場合、「認知の歪み」があると言われます。

この認知の歪みは、個人個人が持っている考え方や価値観のバイアスを生みます。

B夫さんの場合、ネガティブな発言が顕著だったことから先に心療内科を受診しましたが、実際には身体を調べて回った後にわかることが多いですし、精神科医師から、「まず体に病気などが隠れていないか調べてもらいましょう」といって、検査を勧められることもあります。

ケース2の続き

C美さんは病院受診後、「異常なし」と診断されます。

ホッとしましたが、その後も時々症状が出たり、無くなったりが続いていました。

何度か通院していると、内科の主治医から心療内科を受診するように勧められます。

精神科医師:「お困りなことは何かありませんか」

C美さん:「特に何も困っていないですね。倦怠感が良くなれば、仕事もスムーズにできると思いますけど」

精神科医師:「胃が痛くなるとき、その前でも、何かストレスに感じることはありませんでしたか」

C美さん:「普段から嫌だなと思うことがあまりないんですよ」

精神科医師:「最近の変わったことは?」

C美さん:「最近、同僚の人間関係がギクシャクするようになりました。」

精神科医師:「それで」

C美さん:「私はできるだけ、普通に過ごしてほしいんですけど。それぞれ仲直りをしてくれないので」

精神科医師:「それであなたはどんな気持ちなんですか」

C美さん:「私ですか?私は・・そうですね。特にありません。とにかく、二人が話ができるようになってくれれば解決すると思います」

C美さんは、自分の環境に対する感情をうまく表現することができませんでした。

明らかに困っている、しんどい ような状況でもそれを認めることができません。

その後、自律神経の機能を調べる検査が行われ、C美さんの身体症状は、自律神経失調症によるものと診断されます。

二人の症状はそれぞれ、「朝起きられない」といった身体症状によるものから始まりました。

しかし、身体面の検査をして、異常がないこと、本人が感じていることや感情の状態などの経過をおいながら診断がついてくることになります。

自律神経失調症を改善する方法

ヨガ女性(画像)

自律神経失調症を改善するためには、まず自律神経のバランスを整えることを念頭に置きます。

そのためには生理的なアプローチが必要になります。

常に緊張している場合には、恐らく交感神経が優位になった状態ですから、副交感神経を高める方法が功を奏するでしょう。

自律神経を整えるお薬を処方してもらったり、自律訓練や呼吸法を取り入れる、首こりを解消させるのもいいと思います。

一方で、自律神経失調症はその人の考え方や気質も影響すると言われているため、その部分への対処法も検討しなければなりません。

車に車輪がついていて、片方がうまく回らなければ車輪は前進しないのと同じく、身体症状と性格(気質)の両方へ対処が必要です。

自己理解すること

まず、薬物療法にて症状が改善し、ある程度落ち着いてきた頃には、今度は予防にもつながるケアを実施しなくてはいけません。

その一つがストレスを自覚し、自己理解することです。

自分自身が自覚していないストレッサーに気づき、ストレス対処(コーピングといいます)の方法を再度確認していくことが大切です。

そのために、自分自身の性格はどのような性格特徴なのか。

タイプを知っておくことは非常に有効です。

ストレスについて知る

蓮の花(画像)

あなたはストレスを普段感じる場面がありますか?

ストレスとは厳密にはストレス反応のことを指します。

ストレスとは、引っ越しや昇進といった日常にあるささいな変化から、家族と離別したり病気をしたりなどの大きな変化も含めて、周囲や環境から何らかの圧力(ストレッサー)が加わったときに起こる「私たち自身の内部から生じる歪み」のことをいいます。

歪みと言うとわかりづらいかもしれません。私たちのことを丸い空気の入ったボウルに例えると理解しやすいと思います。

ボールは外から力が加わると凹んで変形しますね。

そして、ボールは元に戻ろうとして内部から押し返す力がうまれて、拮抗状態になります。

これを心理学ではストレス反応といいます。

具体的な場面でいうと、高校受験に惜しくも失敗してしまった場合・・。

頑張った分だけ、非常に気持ちが滅入ると思います。

その時、受験の失敗がボールをへこませる外からの圧力であり、ボールが凹んでいたのを押し返そうとする力が「気分が滅入る」ことに当てはまります。

このように理解すると、気分がめいるのも、元の状態に戻るため(ストレス状態から元に戻るため)の人の反応といえます。

そう考えると、落ち込むべき時には十分に落ち込んだほうが良いし、悲しい時はたくさん泣いたほうが良いのですね。

そして以下の一覧は、人々にとってストレッサーとなる出来事を数値で表しています。

このストレッサーは日常生活のささいな出来事から、人生での大きな変化まで幅広い範囲にわたっており、生活に影響を与えます。

以下の一覧の表す数値の意味は、結婚してから普通の生活に戻るまでを50だとしたら・・、という設定でアンケートを施したものです。

例えば、結婚後から日常の状態に戻るのが50であるのに対し、配偶者が亡くなってから元の普通の生活状態に戻るには、100という高得点になっています。

どのような出来事が、どれくらいストレス度合が高いのか理解することが大切です。

また、過去一年間の間に下記のストレッサーの合計が200-299点あると、50%の人が、300点以上ある場合は、80%の人がその後の一年間に心身の健康障害を起こす可能性があります。

あなたの得点はいかがですか?

出来事 ストレス(%)

配偶者の死  100

離婚  73

配偶者との別れ  65

拘禁  63

親密な家族メンバーの死  63

怪我や病気  53

結婚  50

職を失うこと  47

引退  45

家族メンバーの健康上の変化  44

妊娠  40

性的な障害  39

新しい家族メンバーの獲得  39

職業上の再適応  39

経済上の変化  38

親密な友人の死  37

仕事・職業上の方針の変更  36

配偶者とのトラブル  35

借金が1万ドル以上に及ぶ  31

借金やローンのトラブル  30

仕事上の責任のトラブル  29

息子や娘が家を離れる  29

法律上のトラブル・親戚とのトラブル  29

特別な成功  28

妻が働き始めるか、仕事を辞める  26

学校に行き始めるか、辞める  26

生活条件の変化  25

個人的な習慣の変更  24

職場の上役とのトラブル  23

労働時間や労働条件の変化  20

住居の変化  20

転校 20

気晴らしの変化 19

宗教活動の変化 19

社会活動の変化 19

1万ドル以下のローン 17

睡眠習慣の変化 16

同居家族数の変化 15

食習慣の変化 15

休暇 13

クリスマス 12

軽度の法律違反 11

(Miller,M.A. & Rahe,R.H. 1997 Life changes scaling for the 1990s’. Journal of Psychosomatic Research 43 pp279-292 )

自律神経のこと

ハーブ(画像)

私たちが普段、何気なくしている行動はすべて、脳がコントロールをしています。

例えば、おなかが空いてご飯を食べる時、ボールが突然顔面に飛んできて、思わず目をつむる場面、好きな本を買ってもらってうれしくて笑顔になる、近所の方の迷惑行為に腹を立てる・・。

こういったささいな行動もすべて、脳がコントロールをしているのです。

脳は、何らかの出来事が起きた時にそれを分析し、ストレスになるものを感知し、自分の中に現れる感情も感知して、それを基に指令を出していきます。

よく言われる例は、運動したとき。

遅刻しそうになって走って電車に駆け込んだとします。

そうすると、走り終わると心臓はドキドキと高鳴り、汗をかいてきます。

これは、走るという全身運動を行うときには、筋肉がたくさんの酸素を消費するため、血液の供給量を増やし、それによって体温が上がってしまったのを汗をかくことで低下させているのです。

「暑い」時は汗が流れるし、「寒い」時は毛穴を収縮させて体温が奪われないように温存します。

これによって体温調整が行われています。

この自然な働きは、脳の視床下部というところから指令が出ることで、自律神経が活発に働き、調整します。

交感神経が優位になることで運動しやすい身体の状態になりますし、睡眠しようとするときにはエネルギーを温存するために副交感神経が優位に働きます。

脳のコントロールセンターと対比して、末梢神経というのがあります。

これは、神経を通じて体の各器官とつながり、情報交換をしたり、指令を伝達して体の各部位を動かしたり、感覚をつかさどってモノを見たり、聴いたりするのに利用されています。

自律神経は、この末梢神経の一部に分類されていて交感神経は鼓動を早くしたり、消化器の活動を活発にさせます。

一方副交感神経は、交感神経とは反対の働きをしていてエネルギーが無駄に消費されるのを防ぎ、エネルギーを充電するために使われます。

薬物療法のいろいろ

お薬手帳(画像)

ストレスを自覚することと合わせて大切なのは、薬物療法です。

お薬を使って、つらい症状を和らげて行きます。

もっともよく利用されるお薬は、抗不安薬です。

抗不安薬は、感情をつかさどる大脳辺縁系に働きかけて、不安を減少させ、身体にある緊張を取り除く作用があります。

作用の強弱から整理していきます。

作用が弱い薬の製品名と一般名

ハイロング (オキサゼパム)

セレナール (オキサゾラム)

作用が中程度の薬の製品名と一般名

コント―ル、バランス (クロルジアゼポキシド)

セルシン、ホリゾン (ジアゼパム)

ノブリウム、レスミット (メダゼパム)

リーゼ (クロチアゼパム)

メンドン (クロラゼプ酸ニカリウム)

セダプラン (プラゼパム)

エリスパン (フルジアゼパム)

ソラナックス、コンスタン (アルプラゾラム)

メレックス (メキサゾラム)

コレミナ-ル (フルタゾラム)

メイラックス (ロフラゼペート)

セディール (タンドスピロン)

作用が強い薬の製品名と一般名

セパゾン、エナデール (クロキサゾラム)

レキソタン、セニラン (ブロマゼパム)

ワイパックス (ロラゼパム)

デパス (エチゾラム)

レスタス (フルトプラゼパム)

上記のお薬は、作用時間も異なりますし、持病がある場合には服用できないこともあります。

自律神経のバランスを調整するお薬

自律神経調整薬

ハイゼット、ガンマオリザノール: 更年期に見られる冷えやのぼせの緩和

グランダキシム、トフィソパム: 交感神経優位になったための頭痛や肩こり、手足冷えの緩和

自律神経末梢作用薬

リズミック、メチル硫酸アメジニウム: 起立性低血圧症状の緩和

インデラル、塩酸プロプラノロール: 交感神経優位になったための不整脈や動悸、不安の緩和

ブスコパン 臭化ブチルスコポラミン: 胃腸症状の緩和

自律神経を整えるために、脳の視床下部に働きかけるのが自律神経調整薬であり、末端に働きかけるのが末梢作用薬となっています。

これらを利用して、自律神経を整えていきます。

上記の薬物療法を医師の指導のもと行いながら、その次にはストレス緩和ができるようにしていきます。

お薬は、先生の指示通りにすればいいわけですが、ストレス緩和と言うのは、本人の主体性がとても重要になっていきます。

まず、ストレスの自覚をすること、そして辛い症状を薬物療法で緩和すること、その次にストレスを分析し、それに対する対処を考えていくこと。

このような流れになります。

認知の修正によって症状を改善する

それでは、具体的にどのようにして症状を改善させていけばいいのでしょうか。
自律神経失調症になりやすい人の特徴として、クヨクヨと考えてしまう人をあげました。

再発予防、症状の改善のためにはあなた自身の考え方のクセを見つけることから始めます。

その時に利用するのは、自己モニタリングシートです。

活動記録SS

(自己モニタリングシート)

例えば、主婦のA子さんが姑とのやりとりを気に病んでいる場面を例にします。

いつも帰りの遅い夫B介は、夕食の支度はしなくていいと言ってくれていました。

それはまだ小さい息子への世話を考えてのことです。

ある日、お姑さんが上京して家にやってきました。

すると姑さんは「B介の食事は準備していないの?かわいそうに」と。

その後、姑が地元へ帰ってあとも気になっていました。

「きっと私を悪い嫁だと思っただろう」「体調を崩したら私のせいだと言われないだろうか」「親戚に私の悪口を言っているかもしれない」などとクヨクヨと考えてしまい、気分が落ち込むばかりでした。

場面:「B介の食事は準備していないの?かわいそうに」と言われた

考えたこと:「きっと私を悪い嫁と思っただろう」

気分:落ち込む

しかしここで、別の考え方を思い浮かべてみましょう。

もっと違う考え方や見方はありませんか?

別の見方:

「一度のことで悪い嫁だと思うなら、それはお母さんの考え方が問題だ」

「もう大人なんだから、子どものこともあるのに、それがわからないほうがおかしい」

「悪い嫁って思われても、特に気にしなければいい」

このように考えるといかがでしょうか。

気分は少しは良くなりませんか?

これを練習してうまく対処できるようになることは、症状悪化を防ぐことに繋がります。

あなた自身が考えのクセを見つけて、それをポジティブなものに変換させる作業を行います

リラクセーションの技法を取り入れる

癒しイメージ(画像)

リラクセーションの方法を身に着けておくことは、健康な人も病気のある人にとっても有効な対処方法です。

うつ病は交感神経が亢進している状態といえます。

それに対処している間、身体は非常に消耗しています。

病気を自分の中に取り込み、コントロールしていくためには消耗や疲労をしていてはいけません。

そのためにも休養してエネルギーを蓄える必要があるのです。

さらにリラクセーションを取り入れて副交感神経の働きを活性化させ、疲労や消耗を和らげて、うつ病に打ち勝つ身体を作っていきましょう。

ご紹介するのは、心理療法の中でもポピュラーな「自律訓練法」です。

自律訓練法は、自律神経のバランスを整える方法です。パニック障害は、自律神経のバランスが崩れ、常に交感神経が優位になった状態です。

これを意のままにコントロールできればパニック障害を和らげることができるはずです。

方法について説明していきます。

自律訓練を始める前に、漸進的筋弛緩という方法を取り入れると自律訓練によるリラクセーション効果を十二分に感じることができます。

【漸進的筋弛緩(ぜんしんてききんしかん)】

横になる男性(画像)

椅子に腰かけた状態でいましょう。

リラックスして座っていてください。

足は肩幅に開き、両手は太ももの上にそっとおいてください。

指先やひじは軽く曲がる感じです。

最初に両肩をぐっと上にあげてみましょう。

5秒程度、両腕は下ろしたままで首をすくめるようにして両肩を上にあげて、一気にストンと下に落とします。

重力に引っ張られるようにストン!!と落とします。

そうすると、凝っていた肩が緩んで弛緩した状態になりますね。

このように筋肉に力を入れたり、抜いたりする作業を足先から頭のてっぺんまで実施していきます。

両脚の指をぐっと内側に丸めるようにして力をいれ(5秒程度)、ストン!と力を抜きます。

両脚全体(足首から太ももまで)をぐっと力をいれ(5秒程度)、ストン!と力を抜きます。

お尻の穴をキュッと閉め、お尻や臀部にぐっと力をいれます(5秒程度)、その後ストン!と力を抜きます。

その後息を止めて、おなかと背中にぐっと力を居れます(5秒程度)、その後ストン!と力を抜きます。

握りこぶしを作って両腕全体にぐっと力をいれます(5秒程度)、その後ストン!と力を抜き両腕を膝の上におろします。

両肩を上にあげ、肩や首周りにぐっと力を居れます(5秒程度)、その後ストン!と力を抜いて両肩を落とします。

梅干を食べている時のように、顔をぐっとすぼめてみます(5秒程度)、その後ストン!と力を抜きます。

この方法を実践して後すぐに、リラックスした態勢のまま、自律訓練を行います。

自律訓練には、背景公式と標準公式とがあります。

自律訓練法は佐々木による説明では積み上げ方式と呼んでいます。

積み上げ方式とは、一つをクリアできたら、それにさらに上の段階の公式を積み上げていくことです。

背景公式 気持ちが落ち着いている

標準公式(1) 両手両足が重たい

標準公式(2) 両手両足が温かい

標準公式(3) 心臓が自然に静かに規則的に打っている

標準公式(4) 自然に楽に息をしている

標準公式(5) お腹が温かい

標準公式(6) 額が冷たくて涼しい

深呼吸を3回を繰り返し、その後普通の呼吸に戻します。

そして目を閉じて、背景公式を唱えていきます。

「気持ちが落ち着いている・・気持ちが落ち着いている・・」と4-5回繰り返します。

まずは、重感練習から始めます。利き腕ほうが効果が出やすいので利き腕から・・

①「気持ちが落ち着いている・・気持ちが落ち着いている・・」

②「右腕が重たい・・右腕が重たい・・」

を何度か繰り返した後、消去動作を行います。

どうでしたか?右腕は重たくなったでしょうか。

①→②→①→②→・・・消去動作

消去動作とは、両手で握りこぶしを作り、グーパーグーパーと開かせ、両腕を曲げたり延ばしたりして、最後には背伸びをします。

これをすることで、副交感神経が優位になっていた状態から交感神経にスイッチされます。

睡眠前には消去動作は要りませんが普段起きている時間帯では、自律訓練の後には消去動作を実施しましょう。

これまで一緒に自律訓練に取り組んだ患者さんからは、高血圧で困っていらっしゃったのですが、実際に自律神経の反応として血圧の低下が見られたほか、「性格が丸くなった」という家族の印象報告もあり、身体的&心理的な効果も期待できます。

あるがままの自分を受け入れる

シニア夫婦(画像)

自律神経失調症の治療でよく紹介されるのは、森田療法です。

森田療法は日本で生まれた心理療法で、1920年代に森田正馬氏によって確立されました。

この治療法は、ものごとにとらわれすぎてしまうタイプの自律神経失調症の患者さんへ高い効果を示しています。

この治療法は、「あるがままの自分を受け入れる」という考え方を基にしています。

例えば、人前で話すときに緊張してしまう人がいます。「もしうまくしゃべれなかったらどうしよう」「突然頭が真っ白になったらどうしよう」「しゃべっているのを変に思われたらどうしよう」と、とめどなく、スピーチ以外のことに注意がそがれてしまい、結局はそれのせいでスピーチを失敗してしまいます。

スピーチするときは誰でもが緊張するもの。

それが自然であると考えて、緊張する自分をあるがままに受け入れるのです。

「緊張したらだめ」ではなく、「緊張してもいい、それが私である」といった認識です。

緊張を取り除こうとしたり、見ないふりをしようとするのではなく、そのままの自分を受け入れることです。

この治療のコツは、とらわれないことです。

「治そう」「よくしよう」と考えすぎることで、余計に悪化したり、失敗を招きます。

ですから、例えば、自律神経失調症の症状を無くそうとするのではなく、「肩の痛みがある自分」も受け入れる、無理に治そうとしない。ということです。

なんでも完璧であろうとすることが災いし、些細な症状にも過剰に注意が向いてしまい、症状を悪化させてしまわないことが大切です。

病気を治すことに人生を費やすのではなくて、もっと違うこと、楽しいことに時間を費やしましょう。

対人関係

人間関係(画像)

症状の改善に向けて様々な側面から実践をしていただくと、それまで病気を患ったためにうまくいかなかった、もしくは直面せずにすんでいた対人関係の問題が表立って出てくることがよくあります。

自律神経失調症の発症にはストレスが関与していると言われます。

ストレスの多くは人間関係が影響しますから、その人間関係から自分自身を保護する役割として病気がある場合もあるのです。

これを「疾病利得」といいます。

疾病利得とは、病気であること自体が本人にとって利益となることをさします。病気をして仕事を休むことで、職場の煩わしい人間関係から一時的に解放されるといったことがそうです。

また、昇進という嬉しい変化があったものの、うまく部下を動かすことができなかったり、依頼される仕事を断れなかったりなど、職場に行くことが億劫になっていったということもあるかもしれません。

もし病気が治ってしまったら、この人間関係や仕事に再度向き合わなくてはならないのです。

今挙げたことは一例であり、これに似たような状況や、そのほかの対人関係の問題が雲隠れしている場合があります。

実はこれらの多くは、あなたの病気を回復させる妨げになってしまっています。

ですので、しっかりと向き合い対処していくことが大切です。

対人関係の問題は、一度あなたの対人関係の持ち方を振り返り「棚卸する」ことが有効です。

あなたの人間関係を見直して、人間関係ストレスを減らし自律神経失調症の再発予防をしましょう!

自身の対人関係を理解する

あなたにとってキーパーソンは誰ですか?

キーパーソンは医療の現場でよく使う用語です。

治療の方針を決める時など、入院中の患者さんのキーパーソンを呼び、ムンテラ(主治医による説明)をします。

この場合は家族がキーになることが多いです。

ここでいうキーパーソンは、少し意味合いが違います。

私たち人間は社会的動物ですから、人との関係なくしては生きていけません。

いつも私たちは人を意識して生活をしています。

おしゃれをする理由は?誰かにみてもらって、褒めてもらいたいからです。

かっこいい車に乗りたいのはなぜ?他の人とは違う自分をみてもらいたいからです。

全てがそうであるというつもりはありませんが、生理的欲求よりも上位の欲求は他の人がいてこそ実現することに意味があるわけです。

そして、より理想的な対人関係の在り方とは以下のようなサークルに重要度に合わせて対人関係を整理できることです。

人間関係のサークル

(人間関係のサークル)

真ん中のサークルには、恋人や親友、両親、配偶者などが入るかも知れません。
中間のサークルには、友人や同級生、祖父母などが入るかもしれません。

一番外側のサークルには、同僚など職場の人間関係が入るかもしれません。

あなたのサークルはどうですか?

このサークルの中に対人関係をバランスよく整理することができていれば、非常に精神的に健康度が高いと言えます。

一方、偏っていたり、位置が逆転してしまうと不健康に陥りやすいと考えらえます。

例えば、サークルの中心に家族を配置しているB子さん。

彼女は夫と共働きですが、出産を機に仕事を辞めることにしました。

仕事よりも家族という構図がもともとしっかりとあったので、元々仕事は好きでしたが一時的に辞め、

子どもが小学校に入るころに復職するまで、子育てを満喫することができました。

一方のC実さんは、サークルの中心には職場の同僚や上司が名前を連ねていました。

彼女は、バリバリのキャリアウーマンでした。

夫もよく理解をしてくれ、帰宅時間はいつも深夜であり、食事はコンビニ弁当でした。

ある時、妊娠が発覚し、出産後育児休暇をとりました。

育児休暇中も仕事があたまから離れず、子どもがいう事を聞かないことに腹を立てて怒ってばかりでした。

早く戻らないと自分のポジションは誰かに奪われてしまうのではないか?そんな気もちで育児に専念できるはずもありません。

小さな我が子に怒っては罪悪感にかられるというスパイラルで、しまいには夫と離婚、育児休暇が明ける前にノイローゼ状態になってしまったのです。

いかがでしょうか。

仕事を大切にすることはもちろんいいことですが、ライフサイクルに合わせて変化させる柔軟性がなければある時それが崩れてしまいます。

もちろん、一生涯仕事しかしない、というのならそれもありでしょう。

しかし、もし家族を持つのであれば、やはり最終的には重要な他者は家族、親友、親、子ども、配偶者であるべきです。

そうでないと、後々に歪がうまれてきます。

職場ではあなたの代わりがいても、家族の代わりには誰もなれないからです。

このサークルに入るあなたの周りの人間関係、もう一度よく見て、歪みが起こりそうなところはないか確認しましょう。

対人関係で陥る自己ストーリーを理解する

交流分析という心理療法があります。

これを創始したのはエリックバーンという方です。

バーンは、幼いうちから人は自分についての人生脚本を描いているといっています。

そして、それは簡単に以下に要約できると言います。

私はOKである、あなたはOKである

私はOKでない、あなたはOKである

私はOKである、あなたはOKでない

私はOKでない、あなたはOKでない

OK牧場

(OK牧場)

私たちが描く人生脚本は、この4つの立場のいずれかに入ると言います。

このいずれかの立場にたって、私たちは幼少期にすでに「こんな人生ヒストリーを歩もう」と決めているのだそうです。

例えば、ある幼児は言葉を自由に操る年齢になる前に、ママとのやりとりで、自分は愛されていないと感じました。

「僕は誰かを愛するというリスクは犯さないぞ。

だって、ママは僕を愛してくれなかったから」と思い込み、そのように決めてしまいました。

そして、それを正当化するために、「やっぱり僕は人に愛されない」とか「ほら、愛されようとすると拒絶され傷ついてしまう」というように、あたかも一度決めたヒストリーに沿うように、行動をするのだというのです。

これはイコール「私はOKでない」という立場を早期からとってしまったのです。

「今ある自分はこれまでの過去の積み重ね」とはよく言ったものですが、それが未来を決めるわけではありません。

あなたが切り開いていけるんです。

さて、上記の4つの立場のどれに位置しているのかは、普段のあなたの対人関係の在り方を振り返ってみてください。

何か頼みごとをされた時、あなたはどう感じますか?

相手によりけり、内容によるかもしれませんが、よく経験するものを選んでください。

そして自分のパターンと似ているものを選択してください。

①「一緒にがんばろう!」という気持ちになる→私はOKである、あなたはOKである

②「いつも私だけ嫌な思いをするわ」と不快になったり「どうせ私だけが遅いのよ」などの自己卑下になる→私はOKでない、あなたはOKである

③「どうしていつも遅れて依頼するの?」と相手を責める気持ちになることが多い→私はOKである、あなたはOKでない

④「もううんざり。私もお手上げよ」という気持ちになる→私はOKでない、あなたはOKでない

4ついずれかに当てはまるような偏りがあるはずです。

大体、この辺かな?と決めることができるでしょう。

対人関係において、①の立場をとっているあなたは心身的に健康度が高いです。
②では憂鬱になりやすい、③では偏屈的で被害妄想的になりやすい、④では絶望や不毛な立場になりやすいといえます。

常に上記のような対人関係を持ち続けていれば、それほど遠くない時点において心身を害する恐れがあります。

②または③の立場にいる場合、①の健康的な立場に移行するのは比較的たやすいです。

どのようにして移行させるのかというと、自分が陥っているネガティブな立場(私はOKでない、またはあなたはOKでない)に居る時に、意識してそれを変化させるのです。

あなた自身が「私はOKでない」という立場でいるならば、自己肯定できるような思考過程や態度を持つこと、「あなたはOKでない」という立場でいるなら、他者肯定する思考過程や態度に気を配ることです。

言葉は難しいですが実にシンプルです。

「あなたはいま、どの立場で考え、話をしていますか?」

この言葉を意識してみると、自分の立ち位置がわかってくるはずです。

ネガティブな言葉をよく発しているのなら、それを変えてみましょう。

そうすれば、相手も変わってきます。

ぜひ、日ごろから取り入れてみてください。

具体的なコミュニケーションの解決策

さて、それではコミュニケーションにおける具体的な解決策についていくつかご紹介をしていきたいと思います。

人とのコミュニケーションにおいて大切なことは、①きちんと明確な言葉で伝えること、②自分の考えとしてほしいと思っていることを伝えること です。

コミュニケーション場面で困ることっていうのは、たいていの場合、お互いの意見や認識がズレている時ですよね。

妻「子育てを手伝ってほしい」

夫「十分手伝っているじゃないか」

お互いがそれぞれ目線を揃えずに、違う土俵で話をしようとすると、平行線となって、話し合いにはなりませんね。

上の育児の場面でのやりとりで言えば、妻からすれば「そうではなくて・・」となるはずです。

しかし夫には夫の認識が別にあります。

その背景には夫には「育児は母親がやってしかるべきだ」という認識、価値観があるかもしれません。

一方、妻のほうには「同じく仕事もしているんだから、男女とも平等に家事や育児をするべきだ」と思っているのかもしれません。

このズレは、ひも解いてみると、「相手に対して自分がどう期待しているのか」また「相手は自分にどう期待をしているのか?」という点を明確にしていくことで解決する場合があります。

相手に対する期待

(期待の明確化)

この場合、夫の期待は「育児は女性がやるもの」と考え、妻は「平等に分けるもの」と考えています。

この根本部分を取り上げない限り、平行線は変わらず、最終的にはぶつかることになりかねません。

では、どのようにして掘り下げればよいのか?

妻は、育児は平等にしたいと思っていることを伝え、してほしいことを具体的に述べてみます。

例えば、

「あなたが育児は女性の仕事と考えているのはわかった。でも、私は仕事もしていて育児を完璧にこなすことはできない。もう少し育児を手伝えるように、時間をもってくれないかしら」

と提案します。

多くの場合、不満を述べるのに終始してしまうのですが、自分の価値観(期待)を表明するとともに、何をしてほしいと考えているのかを伝えます

そして更に踏み込んで、より具体的に「週の半分は送迎をしてほしい」「お風呂にいれてあげてほしい」などと伝えるのが良いでしょう。

これによって、相手がそれを実行可能かどうかを考える機会になれます。

もちろん一方的に言うだけではお互いの関係上良くありません。

相手の言い分をしっかり聞いて、それが「自分にできることかどうか」を伝えるのです。

先ほどのあなたの人生の立場を振り返ってみましょう。

もし、「私はOKである、あなたはOKである」という立場からお話することができていれば、きっとお互いの考えや価値観、気持ちを尊重して有意義な話し合いができるはずです。

しかし、「私はOKである、あなたはOKでない」の場合には夫に対して「どうしてもっと〇〇してくれないの!」と相手を責めたり、攻撃したりしかねません。

また「私はOKでない、あなたはOKである」の立場にあると、「いつも私だけが辛い思いをしている・・」とか「やっぱり私には子育てする能力がないのよ」というように自分に対してマイナス思考になってしまいます。

「私はOKでない、あなたはOKでない」の場合であれば、「もう限界!もう無理!耐えられない!」といって話し合いすらできず、すぐに別離することになるでしょう。

お互いの関係を大切にしたいとお考えなのであればぜひ、「私はOKである、あなたはOKである」の立場にたち、お互いを尊重しながら話し合いすることがとても大切です。

また明確に言葉にして伝えることが大切なのは、往々にして日本人は「わかるだろう」と思って全てを伝えようとしません。

それは特にいつも一緒に過ごす家族や親友などの場合にそうです。

「私が大変なのを夫は気づいているはず」「ため息をついている私を見れば、手伝ってほしいことに気づくはず」などのようにです。

しかし、実際にはそれでは相手はわかりません。特に相手が異性であれば尚更、言葉による補完が大切です。

「私はこう思っているのだけど、あなたはどうなの?」

「実は今日疲れがひどいの。皿洗い、朝の分だけでも洗っていてほしいのだけどどうかな」

といったように、ちゃんと伝えましょう。

そうすることで、相手はそれができるのかどうか理解するし、できない時であれば二人でどうすればよいか考えることができます。

そうした話し合いの中では、期待を見直す必要があることもあります。

話し合いをして伝えたとしても、夫が「仕事のため、育児を手伝う時間が十分にとれない」と言うのであれば、あなた自身がその期待を変えていくことが必要です。

例えば、保育園を活用する、シッターを雇う、祖父母に協力を仰ぐ、近所の親戚を頼る・・といった形でしょうか。

してほしいことを他の資源に託せるのかどうか?

そして、それでも限界がある場合、夫との関係性に改善がみられない場合には、第三者をいれて話し合いをし、限界設定といって「ここまでになったら、こうしよう」と決めていくことも必要です。

全てが円満にいくとは限りませんから、不満が募り、行き詰まって、離婚に至るケースもあるでしょう。

でも、我慢やあきらめるという方向では新しいものはなかなか生まれづらいです。思い切って離婚をしたからこそ、よりよい人生が始まる場合もあります。

離婚というシナリオが必ずしも不幸になるわけではない、それが最善の策である場合もあるのです。

大切なのは、尊重し、伝え合うことです。

ストレスを溜めない交流の仕方

さて、「3-2対人関係で陥る自己ストーリーを理解する」のところで、交流分析の考え方であるOK牧場についてお話をしました。

さらに、交流分析の中には対人交流の際、「ゲーム」という考え方があります。

ゲームにはいくつか種類がありますが、一つを例にあげてみたいと思います。

交流分析において、人の自我状態は

「CP:Critical parent」

「NP:Nurturing parent」

「A:Adult」

「AC:Adapted Child」

「FC:Free Child」

の5つからなるとしました。

5つの自我状態

(自我状態モデル)

この自我状態とは、あなたを養育していた人々から得た知識や考え方、行動(CP,NP)と生まれながらに持っているその人自身の欲求や感情(FC)、それから成長の過程で身に着けてきた適応行動(AC)、最後に様々な環境、情報、自分自身の欲求などを踏まえて判断する、現実検討する部分(A)のことをそれぞれさします。

この5つの自我状態がそれぞれどのようにその人を構成しているのかによって、人の言動、態度などが規定されてくると言います。

例えば、ACが高い場合には、周囲に適応する能力が高い反面、流されてしまうこともあります。

Aの現実検討能力がほかに比べて高い場合には、冷静に物事を判断し、情報を収集できる反面、冷たくて打算的だと見られがちです。

CPが高い場合には、理想を追い求めたり、自分や他人に厳しくし、規律を正すことの反面、頑固で融通が利かない場合があります。

NPが高い場合には、お世話や人を育てることが上手な反面、相手の自立心を奪ってしまう恐れがあります。

このように、それぞれの自我状態には、メリットデメリットがあります。

大切なのは、あなたが今、どの自我状態にいるのかを理解し、必要な時には色々な自我状態へ移行することができることが望ましいと言います。

社会適応の上手な方は、偏っておらず、むしろ色々な対応の仕方ができること、つまり、理想を追い求めたり、感情を露わにしたり、相手を褒めたり、周囲に合わせたりといったことをその場に合わせて切り替えることだと言えます。

一つ、わかりやすくコミュニケーション例を挙げてみます。

よく、課長に叱られているB君。大事なアポが入っている時にも、遅れてきたり、少しのんびり屋さんです。

今朝も遅れて出勤しました。

課長:「今日も又遅刻か。どうしてこう毎日遅刻するんだ!?」

B君:「すみません。」

課長:「このあいだも遅刻したせいで、先方にご迷惑をおかけしたんだぞ。わかっているのか」

B君:「はい・・」

課長:「本当にわかっていたら、こう毎日遅刻するはずがない!・・・」

・・・・

というように、延々と課長のお説教が始まりました。

B君と課長のやりとりは毎度のことです。これを自我状態モデルから見てみるとどうでしょうか。

ゲーム1

(ゲーム①)

課長:「今日も又遅刻か。どうしてこう毎日遅刻するんだ!?」 (P)

B君:「すみません。」 (C)

課長:「このあいだも遅刻したせいで、先方にご迷惑をおかけしたんだぞ。わかっているのか」 (P)

B君:「はい・・」 (C)

課長:「本当にわかっていたら、こう毎日遅刻するはずがない!・・・」 (P)

・・・・

Pは、CPのことを指していますが、CPで厳しく相手を追及しているわけです。

PACモデル

(自我状態PACモデル)

そして、それを子供のC(AC)で返すことで、この二人の交流ゲームは延々と続いてしまいます。

B君については、このようなやりとりでは建設的な回答は出ず、長い長いお説教はプラスにはなりません。

ここで、B君はどうすればよいでしょうか?

課長:「今日も又遅刻か。どうしてこう毎日遅刻するんだ!?」

B君:「すみません。」

課長:「このあいだも遅刻したせいで、先方にご迷惑をおかけしたんだぞ。わかっているのか」

B君:「先方にも課長にもご迷惑をおかけして反省しています。明日から、いつもより30分は早く起き、間に合わせます」

課長:「・・本当にそうしてくれ」

ここで、B君はCで謝るのではなく、現実検討のAの姿勢で回答します。

どうすればこの問題を解決するか、自分から発信することで、長い長い説教から逃れられますし、有言実行という言葉もありますように、明日から気が引き締まるでしょう。

ゲーム2

(ゲーム②)

上記のB君のように、ずっと「C」で対応するのではなく、その都度自我状態を切り替えて、対処することが大切です。
そうすることで、不必要なストレスは減ることでしょう。

セルフケアして症状の予防をする

足浴(画像)

自律神経失調症を改善するために、これまであなたは色々な方法を試してきたことだと思います。

先ほどからお話している通り、自律神経失調症を患うまでには、ご自身の考え方の偏り、病前性格、ストレス対処法、対人関係の持ち方など様々な要因が複合的に絡み合っていると思います。

それでは私たちは何もせず、風邪をひいたときのように毎回薬を飲むのでしょうか。

いいえ、できることがたくさんあります。

自律神経失調症の発症に関係し、症状を増強している理由の一つは、あなたの病気に対する心構えです。

その対処はいろいろあるのですが、より取り組みやすく、副作用が少なく、心身の他の部分にもよりよい作用をもたらす以下の方法をご紹介します。

呼吸法やマインドフルネス瞑想は、私たちの物事のとらえ方や姿勢をより健全なものにします。

首こり解消は、身体症状を非常に簡単なやり方で圧倒的な症状改善効果や予防効果を感じることができます。

最後に、パワーオブコントロールとは、セルフケアを始めて、自分自身の手に「力・power」を取り戻すことの大切さをお話したいと思います。

これらはすべて、対症療法的ではなく、病気の解決につながる方法、つまり何度もお薬で抑えては再発を繰り返していたものを、再発をさせないようにする最善の方法と言えます。

呼吸法

呼吸法

呼吸とは、私たちが生きるために必要な活動であることは誰もが分かっています。

私たちは呼吸をすることで身体の中にある要らなくなった二酸化炭素を排出し、酸素を取り込みます。この活動は、心臓などほかの生命維持活動を行う臓器と同じく、私たちが起きている間も、寝ている間も続きます。

しかし他の臓器と決定的に違うことは、心臓は自分の意思で動かすことは出来ませんが、呼吸はゆっくり呼吸したり、早めたりすることができます。

つまり、呼吸は意識してコントロールすることが唯一可能な生命維持活動なのです。

そして呼吸は自分の精神状態も反映します。

悩んでいるときはため息が出るし、悲しくて泣いているときには呼吸も乱れます。

気持ちが落ち込んでいるとき、不安を抱えているとき、呼吸は浅く、息苦しくなります。

この呼吸は、過去をさかのぼること古代ギリシャ神話の時代「プシュケー」と呼ばれていました。

そしてプシュケーという言葉は、「心」「魂」も意味していました。

心の状態を反映するこの呼吸の活動が心そのものであると理解されていた過去があるのです。

その証拠に、心理学は英訳するとPsychologyですが、psychoの語源はこのプシュケーになります。

このように、呼吸は私たちの心理に密接に関わっていて、実際に私たちの目で見ることができ、コントロールできる活動なのです。

この呼吸を整える方法を身につけることで、私たちは精神状態をもコントロールできるのです。

その具体的な方法とは、マインドフルネス瞑想で身につけることができます。

マインドフルネス瞑想法

ピラミッド

マインドフルネス瞑想法とは、簡単に言うと注意集中のトレーニングになります。

注意集中している自分をあたかも実況中継しているように観察し続けるのです。

姿勢としては、座禅を組んだり、横になった状態で、呼吸に注意を集中し続けます。

呼吸を吸ったり、吐いたりをゆっくり、何度も繰り返し、その呼吸が流れている様を観察し続けます。

観察とは、鼻や喉のとおりに注意を向けて、空気が流れていることを感じることです。

「あ、今鼻の奥から肺へ流れていった」「横隔膜が上がっている」といったことを感じるのです。

そしてその間、雑念が頭の中に流れてきても、それをそのままにして、とらわれないようにするのです。

こんな簡単な事、誰でもできるよ

と思われたあなたは、まず15分、実践してみてください。

例えば、

「今日の夕飯何にしようかな」

「子供たちは今頃何しているかな」

「首の痛みが気になる・・」

いろいろな雑念、考えが沸き起こってくるはずです。

その考えを追わずにいてください。

浮かんでくる考え、雑念にとらわれず、また見ないように努力するわけではなく、ビデオをみているように眺めていてください。

最初はすごく難しいことがわかると思います。

マインドフルネス瞑想法で非常にユニークなものとしては、「食べる瞑想」があります。

食べる瞑想とは、例えばレーズン、麦チョコなどを一粒とって、まずよく観察し、においを嗅ぐのです。そして手でレーズンを運ぶ瞬間、それとともに唾が口の中をいきわたるのをじっくりと感じます。唇にレーズンを運び、唇にのせ、ゆっくり噛み砕いていきます。

そして、飲み込む瞬間もじっくりと口の中や食道を通る感触を確かめます。

こんな風にして、食べることはめったにありませんよね。

食べることについても、私たちは自動操縦されているために、じっくり感じたり味わったりすることがありませんので非常に新鮮に感じると思います。

私も、マインドフルネスの実習に参加した際には、(レーズンではありませんでしたが)新鮮な気持ちになりました。

この食べる瞑想もそうですが、マインドフルネス瞑想では、「いまここ」に注意を集中していく作業をします。

呼吸に意識を向けることは、まさに今起きていることに注目することになり、未来のことや過去のことなどを自動的に思い煩ってしまう自分に気づかれると思います。

呼吸に注意を集中すると、いろいろな雑念が浮かんでは消え、浮かんでは消え、、という様子に気づかれたら自然と湧き上がる考えや感情をまるで雲を眺めているように観察し続けることで過去や未来への不安にとらわれることがなくなっていきます

不安や落ち込み、恐れ、イライラなどの感情に圧倒されることがなくなるのです。

認知療法で言えば、瞑想中に自然に沸き起こっている観念が自動思考なのですから、それを雲を眺めるように観察する、つまり執着もせず囚われもせずにいるということが自然にうつ病を軽減させることになります。

マインドフルネス瞑想法について詳しくはこちら

首こりを解消する

肩こり男性(画像)

様々な心身の症状に対して首へのケアが大切だ!と歌っているのは、最近よくメディアに出演していらっしゃる整形外科医の山田朱織先生。

山田先生は、様々な著書で首コリまたは首の姿勢を良くすれば、様々な体調が良くなるとおっしゃっています。

首の姿勢の悪さと関係する症状が以下のように挙げられています。

慢性的な頭痛

目の奥の痛み

歯の痛み。歯ぎしり

顎の痛み

前胸部の張りや痛み

猫背

手の指先に力が入らない

朝起きた時、疲れが取れない

いびきで悩んでいる

めまいや立ちくらみに襲われる

プチうつのような症状

頭や顔などの首の上で起こる症状にも、胸や背中など首の下で起こる症状にも、倦怠感など全身で感じる症状にも、そしてプチうつといった心の病にも、首姿勢の悪さは影響を及ぼしているのです。

(引用:山田朱織 2013 首こりは3秒で治る! フォレスト出版)

とあります。

約5キロ程もする重い頭を支える首は、負担は非常に大きく、首こりを解消するためのケアは大切であると仰っていますが、それは確かに頷けますね。

2足歩行する人間は、首によってバランスを保っているわけですから。

パニック障害も自律神経失調症もうつ病もみな、自律神経の乱れが原因で、日常生活に支障が起きています。

自律神経症状さえ対処できれば、困っている症状はほぼうまく解消されていきます。(ただし、根本的な心理的な問題はその次に対応することになります。)

自律神経は解剖学的にも理解が進み、視床下部で指令で出ていること、中枢系から末梢系にいたるまで各臓器へ神経は張り巡らされています。

そして、交感神経によって活動性が維持され、副交感神経によって身体の休息が促進されます。

起きて活動している時は交感神経が働き、夜眠る時間になると副交感神経が働くことで、効率的に身体が機能しているんです。

人体ってよくできてる!って思いますよね。

あなたも不眠で悩まれたことはあるのではないでしょうか。

自律神経の乱れで一番わかりやすいのは不眠です。

ストレスを感じると、多くは不眠(時に過眠もあります)を訴えます。

「家族のことをいろいろと考えて眠れなくなっている」

「家の借金のことで頭がいっぱい」

「彼氏に振られてしまった・・」

「仕事で抱えているプロジェクトが大きくて常に安心して眠れない」

「医師からがんかもしれないと言われ、その結果が出るまで眠れない日々だった」

などなど、個人によって様々な悩みがありますが理由が、それらの心理的圧迫が影響して、身体症状に発展していくわけです。

自律神経は、ストレスが多い現代社会では鍛えたり、ケアをしていく必要が出てくるわけなのですね。

自律神経を整える良い方法には何があるのか、気になりますよね。

自律神経を整える方法には何があるのか?

多くの患者さんたちは背景に心理的な問題があると指摘を受けたとしても、「心理的問題についてどうにかしたい」というより、「身体症状をまず和らげたい」と思っています。

今まさに困っていることは、「からだの症状」であって、「背景の心理的問題」ではないからです。

もちろん、のちのち背景の心理的問題へ取り組むことになりますが、それは生活上の安全、安定が得られて初めてできることです。

これを読んでくださっているあなたも同じだと思います。

カウンセラーや医師に、心理的問題について取り組むように言われても、「まずは生活しなきゃ」「仕事しなきゃ」「痛みをとらなきゃ」と思っているはずです。

金本博明氏の「自律神経失調症・パニック障害改善プログラム」は、継続もしやすく取り組みやすい、自律神経を整えるのに高い効果を発揮してくれるプログラムだと思います。

運動を取り入れる

ウォーキング

うつ病の治療に、有酸素運動を取り入れるのはメジャーになってきていますが、自律神経失調症の精神症状に対してもおそらく効果を発揮するだろうと考えます。
以下は、その効果について取りまとめた文献の要約部分になっています。

運動の不安軽減効果及びうつ軽減効果について、先行研究を精査して再検討した結果、以下のような要約を得た。

(1)運動は小から中等度の不安軽減効果があり、他の精神療法等と同等の効果がある。

(2)運動は中等度のうつ軽減効果があり、他の精神療法などと同等の効果がある。

(3)不安軽減を引き出す運動の種類は、有酸素運動(ウォーキング、ジョギング、ランニング等)と非有酸素運動(レジスタンス/ウエイト・トレーニング等)である。それらの運動強度・時間・頻度・期間は、50%~70%HRMax・30分以上・3回/週・8週間以上 である。

(4)うつ軽減を引き出す運動の種類は、有酸素運動(ウォーキング、ジョギング、ランニング等)と非有酸素運動(レジスタンス/ウエイト・トレーニングなどである。それらの運動強度・時間・頻度・期間は、50~70%HRMax・30分以上・3回/週・8週間以上 である。

(5)運動の不安軽減効果とうつ軽減効果は、一過性の運動、継続的な運動、両性、各種年齢集団に当てはまる。

(6)運動は不安及びうつを増悪させない。

(引用:青木邦男 2002 運動の不安軽減効果及びうつ軽減効果に関する文献研究 山口県立大学大学院論集 第3号 p37-45)

とあり、青木先生のまとめによれば、週に3回、30分以上の運動(有酸素運動や非有酸素運動)を取り入れることで、うつ症状や不安症状を軽減できると言っています。

ただし、重度なうつ状態では推奨されていないこと、オーバートレーニングや過労、不注意などによる外傷や障害に注意が必要です。

パワーオブコントロールするには

これまで、自律神経失調症の原因や治療について、セルフケアについてなどご紹介してきました。

私が話した通りに一つ一つ丁寧に対応していけば、この病気は克服されるでしょう。

しかし、さらに一番大切なことがあります。

それは、お薬や病院に行くことや誰かに相談すること、適切な方法で対処すること以上に、重要なものです。

それは自律神経失調症は克服できるという自分の信念です。

どうせこれまで直らなかったし、何をやっても無理だろう。

ずっと悩まされてきた、だから今回も治るはずがない。

という気持ちでいれば、それはすなわちコントロールすることを放棄し、舵取りを障害に委ねてしまっていることになります。

そうすれば、自ずと良くなるものも決して良くはならないのです。

まずは、パワーをこちら側へもどしましょう

そうすれば、決戦は近いでしょう。

「自分で治すんだ!」「良くするんだ!」という強い気持ちは、何よりも効果的なオクスリだと私は思います。

オンオフの切り替えとストレスの解消法

仕事人間で休みの時も仕事のことが頭にある人、持ち帰って仕事をしている人は少なからずいらっしゃると思います。

また、休む暇のない専業主婦の皆さんも、毎日家事や育児に追われてしまっていることでしょう。

私自身も、家庭ある身ですが、家事や育児に加えて仕事もあると、やはりパートナーからの理解がメンタルヘルスを維持するためには重要になります。

時間に追われる私たち現代人は、オンオフの切り替えが下手になってきていると感じます。

インターネットの発達でどこでも仕事が可能になります。

携帯電話の普及でどこにいても相手がつかまります。

必要なことはメールで送れば、時間など気にする必要は最低限になるでしょう。

そのような中で、私たちは意識して「休むこと」と「活動(仕事)」とをわける必要があります

仕事中は、交感神経が亢進している状態が続きますから、エネルギーが消耗し続けることになります。

家でのんびり過ごす、好きな本や雑誌を読み耽る、友人とカフェtimeをする、スポーツをして体を動かす、家族とゆっくり過ごす、公園をお散歩する、など、リラックスする時間を設けましょう。

この時に大切な事は、「時間をきっかりと区切ること」「場所を区切ること」「携帯電話など連絡のとれるものは手元に置かないこと」がポイントです。

その他、朝はちゃんと起きて生活リズムは規則正しくすること、休むの時間に仕事を持ち込まないこと、十分に楽しめるように携帯をオフにしておくこと、などがあげられます。

そして、ストレス解消するためには、一つはモノの見方・考え方をポジティブに意識することです。

どれだけ楽しいことでも、めんどうだな、と思えばストレスに変わってしまいます。

「億劫だな」と思うよりは「友達と楽しい時間を過ごせる」と前向きに考えて行動することで、ストレス発散効果は高まっていきます。

生活リズムを整える

自律神経失調症の発症には、生活リズムが乱れることが関係しているとお話ししました。

生活リズムを整えることは非常に大切なことです。

まず、睡眠時間を一定にする努力をしましょう。

夜勤などがある仕事をされている場合、午前中のうちに一度仮眠をとり、その後、適度な時間(夜の9時など)に就寝するようにしましょう。

そうすることで睡眠のリズムのパターンが崩れにくくなります。

また、食事も三食とるように心がけましょう。朝食を抜いたり、夜中にたくさん食べたりするのはお勧めできません。

決まった時間に食事を摂れない場合、夜中などは消化の良い食材を食べるようにしましょう。

心身の調子がひどく悪い時に

シニア風邪

自律神経失調症の症状を和らげる方法や、予防する方法というのは、お互いの人間関係を見直しストレスを減らすことや、自分の物事のとらえ方を確認してポジティブなものに変えることなどによって時間をかけて効果を発揮していくものだと思います。

それは、ある程度症状が安定している状況で取り組めるものだと思いますから、心身の調子が悪い、痛みが強い、倦怠感が強いなどの場合には、そのような悠長なことは言っていられませんね。

このような緊急対応時にはどうすればよいでしょうか。

まず何よりも大切なことは、休養をとることです。

まずは3日の休養をとっても心身の調子が回復しないのであれば対応に工夫が必要になります。

アロマオイルを利用する

アロマオイル

アロマオイルは長い歴史があり、現在でもイギリスなどの海外の医療現場では補完代替療法として十分に力を発揮しています。

そしてアロマオイルには様々な種類があります。

自律神経に働きかけ、元気を与えてくれる

リラックスを促進し、緊張や不安を和らげる

不眠に効果がある

肩こりや頭痛などに効く

皮膚のトラブルに効く

空気を綺麗にして感染症対策とする

いろいろな効能があるので、選ぶのが大変だと思います。

自律神経失調症による症状に対しては、様々な症状に合わせることと、自律神経を整えることを中心に据えて考えればOKです。

詳しくはこちらをご覧下さい。

体質を変えられる食材を選ぶ

厨房

あなたは「心身一如」という言葉を聞いたことがありますか?

この言葉は、東洋医学的な考え方です。心と体は繋がっていて、お互いに影響し合うものだという考え方です。

自律神経失調症や心身症などは、心の問題が身体的な症状として現れているため、まさにこの考え方と合致する症状なんですね。

西洋医学的な視点では、心と体は別のものである(心身二元論)という考え方が根強くあって、そのために身体の治療と心の治療は切り離されていることが多いです。

しかし、東洋医学的な考え方を基本にすると、身体を改善すれば心も調子が良くなる、心の調子を整えれば身体の調子も良くなる、ということになります。

ですから、食事をとるという行為から、心身状態を改善することができるというのが、東洋医学的な思想での「食養生」と言えます。

まず、私たちの身体について、東洋医学的な視点でひも解いていきましょう。

東洋医学において、内臓のことを臓腑(ぞうふ)と総称します。

そして私たちの身体を構成する臓器は、5つの「臓」と6つの「腑」に分けられます。

臓とはふくろ状になっていて、それぞれが体の機能維持に必要な活動を行っています。

腑は、食べ物を消化・吸収することを助ける働きをし、食べ物の通り道だと言われます。

臓は、「心」・「肺」・「脾」・「肝」・「腎」 の5つ

腑は、「胆」・「胃」・「小腸」・「大腸」・「膀胱」・「三焦」 の6つ

これら5臓6腑は以下のような対応関係・ペアになっており、一方が他方へ強く影響を及ぼし合う関係になっています。

肝⇔胆、脾⇔胃、心⇔小腸、肺⇔大腸、腎⇔膀胱、心包⇔三焦

例えば「肺」の病気がある方が大腸での不具合「便秘」をすると、その肺の病気も悪化してしまう、、といった具合です。

風邪をひくと、おなかを下すことがありますよね?その関係性のことをいいます。

腎(腎臓)と膀胱は、イメージしやすいのですが、「心」と「小腸」は意外な組み合わせに感じますね。

東洋医学では、「五行説」という中国で生まれた考え方に基づいて、病気を理解したり、治療方針について決定していきます。

その五行とは「木」・「火」・「土」・「金」・「水」であり、それぞれ5臓の性質を5行に当てはめて考えることができます。

木:樹木のイメージ。木が成長していくように、上方へ、外方へと伸びていく性質。季節は春。五臓は肝。

火:燃えさかる火のイメージ。物を温める性質。季節は夏。五臓は心。

土:大地のイメージ。大地に種子をまき、収穫させることから物事を生み、変化をさせる性質を指す。季節は長夏。五臓は脾。

金:金属のイメージ。堅牢で冷たく、収斂する性質がある。季節は秋。五臓は肺。

水:泉から湧き出る水のイメージ。生命の源であり、下方向に流れ下る性質を持つ。季節は冬。五臓は腎。

引用:

このようにして、私たちの身体(内臓)と五行とが分類されています。

そして、この5行説の考え方では、季節、食べ物などのあらゆるものを5つに分類しています。

その分類を確認しながら、五行相生説や五行相克説を基にして、どこに焦点を絞って治療・養生を行えばよいかがわかるようになっています。

スライド1

(五行相生説・五行相克説)

また、語性(ごせい)と語味(ごみ)という概念から、食べ物の性質を理解し、活用することができます。

語性とは、5つに分類されています。「寒」・「涼」・「平」・「温」・「熱」の5つです。

この5つは、身体を温めたり冷やしたりして、身体を調整します。

寒(かん):体を強く冷やす。利尿作用。

涼(りょう):体を冷やす。鎮静作用。

のぼせやほてりの時・血熱や熱邪の時・クールダウンの作用

平(へい):どちらでもない

温(おん):体を温める。身体を活性化する。

熱(ねつ):身体を強く温める作用がある。発汗作用や興奮することがある。

体が冷えている時・気虚や血虚で使用。気や血のめぐりが良くなって体調改善する。

語味とは、食べ物の味に関係しています。それぞれの味は、身体へ様々な作用をもたらします。

対応する五臓へ特に作用するといわれています。

辛(しん):肺と関係。停滞する気や血の流れを改善する。

酸(さん):肝と関係。汗や尿、鼻水などそとへ漏れ出す時に。引き締め作用がある。

甘(かん):脾と関係。血を補う・緊張緩和。鎮痛。

苦(く):心と関係。デトックス作用。熱を下げる、むくみの解消など。

鹹(かん):腎と関係。固いものを柔らかくする。デトックス。便秘などに。

身体の状態に合わせて、語性の特徴を持つ食べ物、五味の特徴を持つ食べ物を食することにより体調が改善されていくと言われています。

そのような食生活の仕方で、体質改善や病気の予防を行うことを食養生といいます。

一番簡単な食養生の方法は、住んでいる地域でとれる食物を食べることだと言われています。

その地域でとれる旬の食物、例えば沖縄は日差しが暑いですから、身体を冷やすことが必要になります。

その時に現地でとれたきゅうりやバナナ、スイカなどを食べるといいわけです。

それでは、身体を冷やす食べ物と温める食べものを挙げていきます。

熱の性質の食べ物:唐辛子、ニンニク、コショウ

温の性質の食べ物:ショウガ、シソ、ニラ、黒糖

身体を冷やす食べ物

涼の性質の食べ物:豆腐、緑茶、ナス、セロリ、小松菜

寒の性質の食べ物:きゅうり、バナナ、もやし、スイカ、キウイ

五味の性質より

鼻水、汗、出血、下痢などの時:引き締め作用のある酸の食べ物をとるといい
→トマト、イチゴ、りんご、アボガド、グレープフルーツ

便秘やむくみを改善したい時:デトックス作用のある苦の食べ物をとるといい
→ゴーヤー、コーヒーや緑茶、紅茶

筋肉の緊張をとりたい時、鎮痛したい時:血を補い、緊張緩和する甘をとるといい
→サケ、卵、ニンジン、マグロ、砂糖、大豆

かぜのひきはじめに:気や血の停滞を改善する辛の食物をとるといい
→シソ、大根、ニンニク、タマネギ、ショウガ、パクチー

便秘や肩こりの時に:固まっているものをやわらかくし、おろす作用のある鹹(塩辛い)の食べ物をとるといい

イカ、昆布、塩、アサリ、エビ

ツボを刺激する

鍼灸

東洋医学には、経絡とツボという考え方があります。

経絡とは、身体のなかをめぐる気や血の通路のことを指しています。

血とは、血液と似ていますが、それとは違っているのですね。

気や血を、身体の各臓器(五臓六腑)、皮膚や筋肉へと繋げる役割を担っています。

気や血は、流れが悪かったり、滞ったりする性質があるようです。

ですから、その滞った場所では臓器の不調が起こるとされています。

しかし、臓器へ触れることはできませんから、経絡を通じてその臓器につながる身体の表面部分を刺激することで治療をするのがつぼ療法です。

経絡・ツボを通して、身体のバランスが悪くなっているところを調整していきます。

臓器とツボとのつながりを理解するためには、経脈について知る必要があります。

経脈とは、身体の縦方向に伸びているもので経絡の仲間になります。

経絡は12本あって、それぞれ手足の指などの末端とつながり全身をつなげています。

正経一二経脈

手の太陰肺経

手の陽明大腸経

足の陽明胃経

足の太陰脾経

手の少陰心経

手の太陽小腸経

足の太陽膀胱経

足の少陰腎経

手の厥陰心包経

手の少陽三焦経

足の少陽胆経

足の厥陰肝経

経脈の名称について

(経脈の名称について)

経脈のすぐ上にある皮膚に刺激を与えると、その刺激は経脈に伝わり、それぞれの臓器へ到達していきます。

ツボとは、この経脈が通っているポイントを意味しています。そこを押したり、お灸をすえたり、鍼を指すことで、ツボを通じて経脈を刺激して、その奥にある臓器に届くというわけです。

例えば、足首とすねの間にある「三陰交」というツボを刺激します。

そこは、3つの経脈が交わっている部分と言われ、特に生理不順や生理痛など婦人科系の症状に効果を発揮します。

このように、身体の表面を刺激することで、身体の奥にある臓器の不調を改善することができます。

不眠に良いと言われるツボをお伝えしたいと思います。

かかとの真ん中にある「失眠(しつみん)」

耳の後ろの出っ張った骨の一寸下にある「安眠(あんみん)」

両方とも、眠りに関係しそうな名前ですよね。安眠のツボを刺激するとリラックス効果が高いと言われています。ここは、心身の疲労をとる、リラックスをするためにも良い効果があり、恐らく「気」を作るためのベースができるのだと思います。

疲れた時や、寝不足のとき、疲労回復したいときにはぜひ奇穴(安眠)を刺激してみてください。

また、「百会(ひゃくえ)」は両耳を結ぶ線と身体の中央を走る線をちょうど交差させた場所にありますが、ここも安眠の効果があると言われてます。

また、身体的不調に良いと言われるツボをいくつか紹介します。

詳しくはこちらをご覧下さい。

サプリメントを利用する

サプリメントの活用は、治療にかかる時間がない、治療が長引いている、自分でできることを探している、金銭的にゆとりがある、といった場合に継続して活用されるのが良いと思います。

無理をして買ってしまい、金銭的な負担が強いられるのはよく有りません。

しかし、一度試してみて症状が軽減するのが感じられ、生産的な毎日を送れそうだという感じが得られたら、選択するのも手だと思います。

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終わりに

このような長い記事を最後まで読んでくださってありがとうございます。

あなたの症状が和らぎ、少しでも自己実現のできる人生を進められますようにお手伝いができれば嬉しく思います。

記事にあるように一つ一つ丁寧に対応していけば、きっと症状は解決するはずです。ぜひ、実践してみてくださいね。

 

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