自律神経失調症の治し方は?診断からお薬(治療薬・安定剤)までを丁寧に。

okusuri

梅雨入り直前と思われる昼間の沖縄は蒸し暑いです。

このような季節の変わり目は体調を崩しやすいと言われます。

このような時期には、「自律神経失調症」の症状に注意が必要です。

春には涼しく、過ごしやすかった天候も、梅雨が近づくとジメジメとした暑苦しく過ごしづらい環境になります。

暑くなると、発汗作用を働かせようと交感神経が優位になります。

汗をかくことによって体温調整をし身体の状態を一定に保とうとしているわけですね。

一方、雨がザッと降り終わると、今度は地面が冷やされて少し底冷えすることもありますから今度は副交感神経が働くわけですね。

このように、交感神経や副交感神経が代わるがわる働かなくてはならない状況は、体温調節などによって身体の恒常性を保つことが難しい環境、となるわけです。

交感神経は、自律神経の一つの系統です。(自律神経について詳しくはこちら→自律神経失調症の症状チェックと原因について

交感神経と副交感神経とが交互にバランス良く、拮抗を保っているのが理想な状態になりますが、こういった季節の変わり目には、環境的なストレスが大きく、個々人へストレス反応を引き出してしまいます。

自律神経失調症の診断について

医師(画像)

自律神経失調症は、体調不良が続いているのに、病院の検査や診察では異常がみつからない状態のことです。

(詳しくはこちらをどうぞ→自律神経失調症の症状チェックと原因について

今日は、自律神経失調症の診断の目安となるように、主な特徴をあげていきたいと思います。

  1. 個人によって症状にばらつきがある(イライラや不安などの精神症状、特定の器官の不調、全身に及ぶ症状)
  2. 症状が安定せず、日や時間によって出たり出なかったりする。
  3. 不調は、症状の数に関わらず、新しい不調が次々と現れる。
  4. 自覚症状は明瞭だが、検査での異常が見つからない。
  5. 複数の病院で違う病名、複数の病名を言われることがある。

上記のような特徴がある場合に、「自律神経失調症」の可能性があるといえるでしょう。

そして自律神経失調症は、日本心身医学会の定義では「種々の自律神経系の不定愁訴を有し、しかも臨床検査では器質的病変が認められず、かつ顕著な精神障害のないもの」とされています。

ですから、身体の不調が続き、検査で問題がない場合には、その病気を疑ってみるべきだと思います。

まず、診断のためには内科などの身体をみるお医者さんを訪ねましょう。

そしてそれでも改善しない場合には心療内科を受診するといいです。

診断の流れについてです。

自律神経失調症を疑われた場合には、以下の図にあるような検査や問診を行っていきます。

自律神経失調症診断時の方法

(図1 自律神経失調症の診断)

面接では、どのような症状がいつからあるのか、それによってどんな風に生活に支障があるのか、気分状態はどうか、過去の生活歴、家族の病歴などが聞かれます。

除外診断というのは、病気を鑑別するために必要な過程です。似たような症状があるので、いくつもの仮説をたてて、それを除外していきながら、最終的に自律神経失調症にたどり着きます。

もちろんその過程で、「心理的問題だ」と言われていた症状が、実際は身体の重く、分かりづらい病気だった、ということもよく起こります。

ですから、「心の病」「心の問題」だと簡単に片付けずに受診することが大切です。

次に、心理テストです。

患者さんの性格傾向や気分の状態、神経質な方なのか、感情を抑制しやすい方なのかなどを客観的に評価していきます。

カルテと聴診器

最後に、自律神経機能検査を紹介します。

これはあまり聞きなれない検査です。

自律神経の働きに問題がないかどうかを確認する検査となっています。

  1. シュロング起立検査
  2. 立位心電図
  3. マイクロバイブレーション
  4. 心拍変動検査

などがあります。

1.シュロング起立検査とは、横になった状態と起立した状態とで血圧を測定し、その変化を見ていきます。

自律神経機能が正常の場合、血圧の変動はありません。

しかし、立ち上がり時に大きく下がる場合、自律神経機能に異常があると言われ、立ちくらみやめまいを起こしやすい状態であると言えます。

2.立位心電図とは、①と同じく横になった状態と立ち上がった状態とで、心電図の変化をみていきます。

自律神経に問題がある場合には、起立時にその波形が乱れます。

3.マイクロバイブレーションとは、人体の表面にある微細な運動(マイクロバイブレーションといいます)を測定。

安静時、非利き手でそのバイブレーションを測定し、コンピュータで分析します。

4.心拍変動検査とは、②と同じく心電図での変化をみて分析していきます。

上記のような検査を通して、自律神経系の問題が認められれば、自律神経失調症と判断されます。

しかし、上記の自律神経の検査だけで判断するのではなく、上記の面接や心理テスト等も含めて総合的に判断されていきます。また、自律神経機能検査をせずに、その他の項目から判断される場合もしばしばあります。

自律神経失調症を理解する為に

自律神経失調症は、身体の機能不全状態であり、心身症のカテゴリで理解されています。

身体の不調が心理的問題による影響を受けていることが前提となるわけです。

以下の図は、心の状態が身体へ影響をどのように及ぼしているのかを理解するのに役立ちます。

私たちの心や感情も脳によって支配を受けていますから、脳内の役割分担を参考にしながら理解を進めていきましょう。

心の状態と自律神経

(図2 それぞれの役割)

上の図にありますように、私たちの脳内では大脳新皮質が「理性判断をつかさどる場所」、大脳辺縁系が「感情や情動をつかさどる場所」、そして視床下部には自律神経がコントロールされています。

どのような経過で自律神経失調症が発症するのかをみていきましょう。

大脳新皮質で、私たちが「人前で泣くのはいけない」「人前で怒りを表すのは恥ずかしいことだ」などと判断したとします。

そうすると、感情をつかさどっている大脳辺縁系と大脳新皮質との間に葛藤が生じます。

上手に連絡がいきわたらないわけです。通常うまく連絡が行き届くのは、悲しい出来事があった→泣く という過程を踏むわけですが、そのように行かないわけです。

そうすると、視床下部への情報伝達がうまく行かなくなります。それが自律神経のバランスを乱し、交感神経と副交感神経の切り替えがうまく行かなくなってしまいます。

このような経過をたどると、身体の各器官での不調が現れることになります。

心身症では実際に病気となって現れ、自律神経失調症の場合には、全身の不調や機能不全の状態で現れるわけです。

このようなメカニズムで自律神経失調症は起きています。

それでは治療について考えていきましょう。

治療の第一歩は、病気の原因がストレスであると自覚することです。

ストレスによる影響が大きく、根本的な原因となっていますから、現れている身体症状にばかり目を向けても、また新たな症状がうまれるだけです。

ストレスを減らす、対処をすることを念頭に置く必要があります。

薬物療法について

お薬手帳(画像)

ストレスを自覚することと合わせて大切なのは、薬物療法です。

お薬を使って、つらい症状を和らげて行きます。

もっともよく利用されるお薬は、抗不安薬です。

抗不安薬は、感情をつかさどる大脳辺縁系に働きかけて、不安を減少させ、身体にある緊張を取り除く作用があります。

作用の強弱から整理していきます。

作用が弱い薬の製品名と一般名

ハイロング (オキサゼパム)
セレナール (オキサゾラム)

作用が中程度の薬の製品名と一般名

コント―ル、バランス (クロルジアゼポキシド)
セルシン、ホリゾン (ジアゼパム)
ノブリウム、レスミット (メダゼパム)
リーゼ (クロチアゼパム)
メンドン (クロラぜプ酸二カリウム)
セダプラン (プラゼパム)
エリスパン (フルジアゼパム)
ソラナックス、コンスタン (アルプラゾラム)
メレックス (メキサゾラム)
コレミナ-ル (フルタゾラム)

メイラックス (ロフラゼペート)
セディール (タンドスピロン「)

作用が強い薬の製品名と一般名

セパゾン、エナデール (クロキサゾラム)
レキソタン、セニラン (ブロマゼパム)
ワイパックス (ロラゼパム)
デパス (エチゾラム)
レスタス (フルトプラゼパム)

上記のお薬は、作用時間も異なりますし、持病がある場合には服用できないこともあります。

自律神経のバランスを調整するお薬

自律神経調整薬
ハイゼット、ガンマオリザノール 更年期に見られる冷えやのぼせの緩和
グランダキシム、トフィソパム 交感神経優位になったための頭痛や肩こり、手足冷えの緩和

自律神経末梢作用薬
リズミック、メチル硫酸アメジニウム 起立性低血圧症状の緩和

インデラル、塩酸プロプラノロール 交感神経優位になったための不整脈や動悸、不安の緩和

ブスコパン 臭化ブチルスコポラミン 胃腸症状の緩和

自律神経を整えるために、脳の視床下部に働きかけるのが、自律神経調整薬であり、末端に働きかけるのが末梢作用薬となっています。

これらを利用して、自律神経を整えていきます。

上記の薬物療法を医師の指導のもと行いながら、今度はストレス緩和ができるようにしていきます。

お薬は、先生の指示通りにすればいいわけですが、ストレス緩和と言うのは、本人の主体性がとても重要になっていきます。

まず、ストレスの自覚をすること、そして辛い症状を薬物療法で緩和すること、その次にストレスを分析し、それに対しる対処を考えていくこと。このような流れになります。

先の図で、自律神経失調症(または心身症)では、感情を抑制したりすることが原因になります。

多くの患者さんは、心の中にある葛藤状態を「知性化」という心理機制で処理している可能性があります。

つまり、感情を抑制され、身体への影響とともに、感情を抑制した時に生じる葛藤状態をうまく整理するために、あたまで理解しようとするわけです。

ですから、今日の記事を読んで、「なるほど」と理解された皆さんも、今はまだ単に頭で理解をしただけであり、感情を抑制することについて解消できたわけではないということを知っておく必要があります。

この部分については非常に難しいわけで、感情を出す作業には「相手」が必要になります。

主治医、家族、友人、恋人、誰でもいいのですが、しっかりと受け止めてくれる、批判したり、非難することがない人を選ぶことが大切ですね。

もし周りにそういう相手がいないのであれば、または「迷惑をかけたくない」と思うのであれば、一番に選んで欲しいのは、カウンセラーです。

治療のステップが進んできましたら、ぜひカウンセラーや心理士を訪ねてみてください。

今回の記事はお役にたてましたでしょうか?

もし、今回の記事を読んで感想や分からない事などありましたら、下記のフォームより私にお伝え下さい。

些細な事でも構いません。

おそらく、あなたが抱いた疑問は、これからこの記事を読む方も抱く疑問です。

そういった疑問を1つ1つ解決していきます。

コメントして頂ければ気づき次第、すぐに回答いたします。


このブログ(ちむえき)について・・・

私のメルマガでは以下の事について解説しています。

・心身の症状が軽くして、家事をラクに済ませる方法

・職場へ足を向ける事すら辛くなっていた気持ちが、すーっと消えるトレーニング方法

・うつの症状が辛く、何もやる気がおきなかったのに、明るい気分になり、やる気がみなぎる生活習慣

・パニック発作が起きるのが恐くて、業務もできずに、自信がなくなっていたのが、発作を恐れず、業務に集中できるようになる思考法

・病院へ通院しているにもかかわらず良くならなかった様々な心身の症状が改善する方法

・家族に自分の症状を理解してもらうことができ、「自分は一人ではない」と思える心理学的テクニック

・病院で治療を続け、治る見通しがたたずに歯がゆかったのが、安心して先を見通せるようになる方法

・自分は病気なんだ・・と思うだけでとても辛かった気持ちがラクになるテクニック

・車や電車に乗れるようになり、行動範囲も広がり、人付き合いが又楽しくなるほどに自分が変化する方法

・夜になると自然と眠りに誘われ、熟眠感を得るトレーニング方法

・病院では「原因不明」とか「自律神経の乱れです」と言われ、なす術がないと思い辛かった心身の症状への対処法

・周囲の人に率直な思いを伝えられるようになり、周囲から「良い人」と思われなくても不安にならないでいられる心理学的テクニック

・経済的な自立のために自分ができることをし、社会にとって役立つ人間であると再確認する方法

・朝、気分良くすっきりと目が覚めるテクニック

私のメルマガではこのようなことを解説しています。

興味がある場合は、以下のフォームより私のメルマガへご登録ください。

只今、メルマガと合わせて読む事で、より効果が得られるカウンセリング教科書も無料でプレゼントしています。



※ご登録いただいた「メールアドレス」は、個人情報の観点により、プライバシーは完全にお守りいたします。

サブコンテンツ

このページの先頭へ