吃音は、発達障害である。ADHDや自閉症、アスペルガーとの関連。

kubi

吃音とは、言葉の発声がうまくできない症状の事を指します。

言葉が詰まったり、言葉が出づらかったりして、流暢にお話ができない状態のことを言います。

(こちらの記事も参考にどうぞ→病院に行っても完治できない吃音を克服する為の治療法とは

この吃音症は、「発達障害」なのか?という疑問がよく聞かれます。

吃音症の分類について、解説していきたいと思います。

発達障害とは?

医師(画像)

まず、発達障害とはどういうものかを解説します。

心の病気を解説する時に出てくるのは、2つのマニュアルです。

このブログでは何度か提示していますが、一つ目がDSM(アメリカ精神医学会が出版する精神障害の診断統計マニュアル)と、二つ目にICD(国際疾病分類)です。

今回は、DSMに基づいて解説していきましょう。

DSM(精神障害の診断統計マニュアル)とは、アメリカ精神医学会が精神障害を分類するために提示したものであり、診断の基準を定めたものと言えます。

これは、精神科医師の間で診断のばらつきがでてしまうことを避けるため、具体的にどういった症状、または行動がある一定期間生じていたか?ということ聞いて行き、ある一定数値を超えたところで病気であると診断するものを言います。

発達障害は、以下のように分類されています。

  • 知的障害

・知的障害

・全般性発達遅延

・特定できない知的障害

  •  コミュニケーション障害

・言語障害

・会話音声障害

・吃音、小児期発症の流暢性障害

・社会性(語用論的)コミュニケーション障害

・特定できないコミュニケーション障害

  • 自閉症スペクトラム

・自閉症スペクトラム

  • 注意欠陥・多動性障害

・注意欠陥・多動性障害

・他で特定される注意欠陥・多動性障害

・特定できない注意欠陥・多動性障害

  • 特異的学習障害

・特異的学習障害

  • 運動障害

・発達性協調運動障害

・常同運動障害

・チック障害

  • 他の神経発達障害

 

発達障害として括られている精神障害をあげるとこのようになります。

発達障害は、脳の機能が何らかの理由によって先天的に異常を来している状態のことをさし、言語、認知、情緒、社会性など様々な領域で機能低下を示します。

ADHDとは?

資料(画像)

ADHDとはどういうものでしょうか?

ADHDとは、「注意欠如・多動性障害」のことをいいます。

必要な場面でも注意集中ができず、また注意が散漫になること、または衝動的に行動してしまい、日常生活に支障をきたすものをいいます。

しかし、こういうのって「自分も当てはまる?」と考える人もいるでしょう。

もっと具体的に、どの程度であれば病気と診断されるのか?

DSM-5の診断基準を確認しましょう。

A.下記の(1)または(2)によって特徴づけられる、不注意または多動性−衝動性の持続的な様式で、機能または発達の妨げとなっているもの。

(1)以下の症状のうち6項目以上が少なくとも6ヶ月以上持続している。その程度は発達段階に釣り合わない程のものであり、社会的および学業/仕事上の活動に直接的に影響を与える程のものである。

※それらの症状は、単なる反抗的行動、挑戦、敵意の表れではなく、課題や指示を理解できないことでもない。

青年期後期および成人(17歳以上)では、少なくとも5つ以上の症状が必要である。

a.学業や仕事、その他の活動中に、細かな事に綿密な注意を払う事ができなかったり、不注意な失敗をしたりする事がよくある(ケアレスミスをする、作業が不正確)

b.課題や遊びにおいて、しばしば注意を持続する事が難しい(会話、作業、講義を聴くなどの注意の持続困難)

c.直接話しかけられた事を、聞いていない様に見える事が度々ある(何も気をそらされる刺激が無い状況でも、上の空になっている)

d.指示された事を途中で放り出したり、学業、雑用、職場での義務等を最後までやり遂げなかったりすることがよくある(宿題ができなかったり、課された業務が終えられない。容易に脱線し、すぐに集中がきれる)

e.課題や活動を順序立てることが、しばしば困難である(ものごとを整理できない、優先順位をつけて行動ができない)

f.持続的な精神的努力を要する課題に取り組む事を避けたり、嫌ったり、または嫌々行う事がよくある(一つの事に集中し、難しい課題に取り組めない)

g.しばしば課題や活動に必要なものをなくす

h.しばしば簡単に無関係の刺激によって気を散らされる(注意散漫、成人や青年後期では空想等の無関係な刺激も含まれる)

i.日常の活動において忘れっぽい事がよくある

 

(2)以下の症状のうち6項目以上が少なくとも6ヶ月以上持続している。その程度は発達段階に釣り合わない程のものであり、社会的および学業/仕事上の活動に直接的に影響を与える程のものである

※同上

a.しばしば手や足でいじったり叩いたりする、あるいは座席の上でもじもじする(そわそわしている)

b.じっと咳についていることを要求される状況で、しばしば席を離れてしまう

c.不適切な状況で走り回ったり、よじ上ったりすることがよくある

d.静かに遊んだり、余暇活動に取り組めないことがある

e.しばしば、まるでモーターで駆動されているように、動き続けている(じっとすることができず、ずっと動き続ける)

f.しばしばしゃべりすぎる

g.まだ質問を言い終わっていないのに、衝動的に答えを口走る事がよくある

h.しばしば、順番が待てない

i.しばしば、他の人の活動を遮ったり、邪魔をする

B.不注意または多動性ー衝動性の症状のいくつかは12歳までに認められた

C.不注意、多動/衝動性の症状のいくつかは2つ以上の環境(家庭、学校、職場、社交場面など)で存在している

D.症状が社会的、学業的、職業機能を損ねている、またはその質を低下させている明らかな証拠がある

E.統合失調症や他の精神障害の経過で生じたのではなく、それらで説明する事ができない

以上の基準に照らし合わせ、精神科医師はADHDか否かを鑑別していきます。

そして、ADHDには不注意優位型、多動・衝動性優位型、混合型の3種類のタイプが存在します。

自閉症とアスペルガー症候群とは?

落ち込む女性(画像)

自閉症とは、診断名としてはDSMが一つ前の第4版(DSM-Ⅳ)の時まで使用していました。

自閉症の診断に関して最近の動向をお話ししますが、DSM-Ⅳでは広汎性発達障害の下位分類の一つとして「自閉性障害」がありましたが、DSM-5にて診断基準の改訂が行われ、自閉症スペクトラムとして診断されることになりました。

広汎性発達障害とは、言葉や認知面など、発達に遅れが認められる状態を指しています。

具体的には自閉症は、人との関わりが苦手、意思伝達がうまくできない、想像力に問題がある、こだわりが強い、といった特徴をもった障害であり、社会性の獲得やコミュニケーション能力の獲得という部分に問題が強く認められます。

広汎性発達障害の内訳として、自閉性障害(自閉症)があるわけですが、自閉症は多くの場合、知的低下を認めることもあります。

知的な低下を認めず、自閉症の症状のみを認める場合にアスペルガー症候群と呼ばれるわけです。

これらの障害は、しつけといった親の育て方や、性格といった問題では全くなく、先天的な脳機能の異常によるものだと考えられています。

しかしながら先ほども述べたように、アスペルガーや自閉症という概念は、DSM-5から「自閉症スペクトラム」という一つの概念でくくられることになりました。

これは、研究の蓄積によって診断の定義を適切なものにした結果のようです。

つまり、広汎性発達障害を細かく細分化して診断する事よりも、大綱化するほうがより適切な診断分類である、と現状では判断されているようです。

参考までに、自閉症スペクトラムの診断基準を載せます。

A.以下の3点で示される社会的コミュニケーションおよび相互関係における持続的障害がある

1.社会的・情緒的な相互関係の障害

2.他者との交流に用いられる非言語的コミュニケーションの障害

3.年齢相応の対人関係性の発達や維持の障害

B.以下の2点以上において、限定された反復する様式の行動、興味、活動がある

1.常同的で反復的な運動動作や物体の使用、あるいは話し方

2.同一性へのこだわり、日常動作への融通の効かない執着、言語・非言語上の儀式的な行動パターン

3.集中度・焦点づけが異常に強くて限定的であり、固定された興味がある

4.感覚入力に対する敏感性あるいは鈍感性、あるいは感覚に関する環境に対する普通以上の関心

C.症状は、発達早期の段階で必ず出現するが、後になって明らかになるものもある

D.症状は社会や職業その他の重要な機能に重大な障害を引き起こしている

E.これらの障害は、知的能力障害(知的発達症)または全般的発達遅延ではうまく説明できない。知的能力障害と自閉症スペクトラムはしばしば同時に起こり、自閉スペクトラムと知的能力障害の併存の診断を下す為には、社会的コミュニケーションが全般的な発達の水準から期待されるものより下回っていなければならない

 

新たな診断基準では、自閉症もアスペルガーもどちらも含む形でまとめられています。

自閉症またはアスペルガー症候群も、現在は自閉症スペクトラムとして診断される、ということですね。

吃音と発達障害の関係は?

過呼吸女性

それでは最後に吃音症と発達障害がどのような関係に有るのかをみていきたいと思います。

先述したように、吃音症はDSM-5の診断基準によりますと、神経発達障害の枠組みで分類されています。

知的能力障害

コミュニケーション障害

自閉症スペクトラム障害

注意欠陥・多動性障害

限局性学習障害

運動障害群

他の神経発達障害群

とありますが、吃音症は上記のコミュニケーション障害として位置づけられています。

それでは、コミュニケーション障害群とはどのようなものかといいますと、

  • 言語障害
  • 会話音声障害
  • 吃音、小児期発症の流暢性障害
  • 社会性(語用論的)コミュニケーション障害
  • 特定できないコミュニケーション障害

の群をさします。

コミュニケーション障害群のなかに、「吃音、小児期発症の流暢性障害」とありますが、これは発達早期に発症することが多い障害です。

話し言葉を流暢に話すことができずに言葉に詰まったり、どもってしまうものをいいます。

つまり、先述しているADHDや自閉症スペクトラム障害とは同列にある、発達障害の枠組みで説明される障害なのですね。

まとめ

神経

発達障害の診断基準(DSM-5)をもとに、吃音との関係性をみていきました。

発達障害は、多くの場合自閉症スペクトラムやADHDのイメージが強く有りますが、下位分類のひとつとして、いわゆる吃音やどもりが含まれています。

それぞれの発達障害は、先天的な脳機能異常が背景にあるという点が共通しているといえるでしょう。

(参考文献:DSM-5精神疾患の診断・統計マニュアル 2014 日本精神神経学会)

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