病院に行っても完治できない吃音を克服する為の治療法とは

jikosindan

「吃音」はきつおんと読みますが、あまり聞き慣れないかもしれません。

吃音は、一般的に「どもり」と言われているものです。

どもりのほうが、ご存知かもしれませんね。

「お、お、お、おはよう」とか、「おーーはよう」、「・・っはよう」というように、言葉を滑らかに発する事ができずに詰まったり、流れを乱すような会話の仕方をするものを言います。

吃音(どもり)は、それが生活に支障をきたすほど問題になっている方もいれば、時折どもるかもしれないけど気にならない、そういう人もいます。

(もちろん、それは程度に個人差があります)

以下、 便宜上吃音で困っていない人の事を「非吃音者」、吃音で困っている人、吃音症と診断された人のことを吃音者と呼ばせていただいて話をしてきますね。

非吃音者にとって、吃音(どもり)は「たいして気にも留めないこと」といえます。

たとえば、「あ、あ、あっちにある本をとって」とか

「い、い、い、イス」といったように

たとえどもったとしても、ちょっと言葉に詰まってしまった、位の感覚で、殊更気に留めることもなく、すぐに忘れ去られていきます。

また、会話している相手がどもる事にも気付く場合もあるし、全く気付かない場合もあります。

気付いたとしても、「あ、詰まった」と思っても、誰にでもあることだからと気に留めないのです。

一方で、吃音者はどうであるかというと、言葉に詰まる体験によって「またどもったらどうしよう」「あの言葉が出にくいから、なんて言い換えよう」というように、常に言葉に過剰に意識を向けた状態になります。

どうして、こんな違いが出るのでしょうか?

そして、吃音ってどういうものなのか?

吃音って治るのだろうか?

こういったことをお話していきたいと思います。

吃音とは?

考える女性

まず、吃音ってどういうものなのでしょう?

吃音症は、一般的に精神科や心療内科でお世話になる病気です。

「病気」というととてもシビアに聞こえてしまい、「私は病気なの?」と心配になった方もいらっしゃると思いますが、まずは理解を深めることが大切です。

以下は精神障害者診断マニュアルであるDSM-Ⅴから引用となります。

吃音症は、神経発達障害という大カテゴリーに分類されています。

そのうちのコミュニケーション障害の一つとして、「吃音、小児期発症の流暢性障害」(Stuttering,Child-Onset Fluency)が挙げられています。

つまり、吃音は広義的に発達障害のくくりに分類されているのですね。

また、吃音があると病気なのか・・。と落ち込んでしまう方がいらっしゃると思いますが、考え方としては吃音があるだけで病気や障害になる訳では有りません

精神科領域の診断は基本的には「その症状によって日常生活がどの程度支障があるのか」を指標の一つにしています。

つまり、症状があっても日常生活を問題なく送れていれば病気や障害と診断されないわけです。

(もちろん、病気の種類によっては本人が問題がないと思っていても周囲が問題と感じているケースもありますので、ケースバイケースではあります)

もし、あなたのどもりがあなたの日常生活に支障を来す程でないのであれば、それは「個性」と考えてもいいでしょう。

冒頭でお話した非吃音者が相手のどもりが気にならない、というのは、それが「その人の個性である」という認識されているからなんですね。

そこが非吃音者と吃音者の違いだと言えます。

吃音者はその吃音の症状を「困った問題」「治さなければならない問題」「自分や相手を不快にさせる症状」といった認識をしているため、過剰に意識してしまう結果になっているわけです。

吃音は治るの?

吃音は、タイプとして

  1. 発達性吃音
  2. 獲得性吃音

に分類されます。

発達性吃音は、吃音全体の9割を占めていると言われています。

2歳から5歳頃の幼児期に発症するもので、原因は明らかになっていません。

が、元々吃音になりやすい生物学的基盤を持っていることや、周囲の関わる親等の環境要因から発症すると考えられています。

獲得性吃音は、脳外傷や心理的ストレスなどによる後天的なものを指しますから、一般的には吃音は発達性吃音のことをさすと考えてよいでしょう。

発達性吃音の方が多いということは、つまり吃音とつき合って長いという人が圧倒的に多いということだと思います。

吃音の症状に幼少期から悩まされ、学校では孤立してしまったり、友達にいじめられてしまったり、好きなことをあきらめざるを得なかった、ということはよく聞く話です。

ですから、吃音者は「この病気を早く治したい」と考え、いろいろと試して来たことでしょう。

例えば、言葉の教室へ通う、言語の訓練を受ける、心理療法を受ける、精神科や心療内科、小児科を受診する・・。

いろんな場面、場所でケアを受けてきているにもかかわらず、「治らない」現状があります。

結局、この病気は治らないのではないだろうか?

この病気は一生、自分を苦しめるのかもしれない。

こんな不安を抱えている方は非常に多いのだろうと思います。

それでは、どうすれば良いのか?

私の考えは、「吃音を意識しなくなること」が治る近道だと考えます。

これまでの治療やトレーニングは、多くの場合「治そう」と努力していきます。

その結果、余計にどもることが気になるし、自分の言葉に意識が向きがちになります

改善するケースもあるかもしれませんが、ひどくなる場合もあります。

どもりを克服するためには、「治そう」と意識をするのではなく、「どもり」のことが頭の中から消えた状態を作り出す事なんです。

どもりで頭がいっぱいなのに、どうやって頭の中、脳内から消せるのか?

それは、心理学的な方法でケアが可能なんですね。

私たちの処理能力は限られているので、一つの事に注意スポットがあたると他が見えなくなります。

それは、基礎心理学、認知心理学、神経心理学ですでに明らかにされています。

注意力というと、漠然としていてよくわかりませんね。

私が学生に講義をするとき、見えない注意力、脳の働きを説明する際に使う教材に、図地反転図形があります。

下部にある絵をご覧下さい。

この絵であなたは何か見えますか?

多義図形(老人と女性)

若い女性が見えた、という人もいるでしょう。

それでは老人は見えますか?

(その逆もあります。)

でも、一度に二つのことは見えません

若い女の人が見えているときは老人が見えにくくなり、老人が見えている時は若い女の人の絵が見えにくくなります。

もう一つ。

この絵には何か見えますか?

ルビンの杯

杯が見えた、という人がいるでしょう。

また、向かい合う二人の人。という人もいます。

よく観察してみてください。

一方を見ようとすると、もう一方は背景に移り変わります

これは、認知心理学の分野の「多義図形」という有名な図です。

人は物事、事象を一つしか見る事ができないし、自分が見たいようにしか見ることができません

これから色々なことが言えるのですが、私たちが意識したものは常にスポットを浴びた状態になる一方で、その他のことは背景となって、私たちは認識すらしなくなってしまうのです。

ですから、吃音の方がどもることにばかり意識がむけば、それがどんどん強化されていきます。

そればかりに注意が向き、それ以外が見えなくなります。

つまり吃音者は、どもることにばかり注意がいくために、その他に注意を配るべき、相手に説明したい内容であったり、相手が話している内容であったり、相手の反応であったりを、認識できていないことが多いのです。

そのため、大切な会話やプレゼンでは内容が100%力を出せたものになりません。

(注意 相手の様子がわからないとは逆に、相手の反応により注意を向けるようになる人もいますが、その場合には「変だと思われているに違いない」「きっと僕の評価が下がったはずだ」などとネガティブに解釈しがちになることもあります)

さらに、もう一つ。

こちらの図形を見て下さい。

エビングハウスの錯視

こちらのaのサイコロの目は「1」ですね。

このサイコロの目の円(○)は、どちらが大きいと思いますか?

①手前の円(○)が奥の円(○)に比べて大きい

②奥の円(○)が手前の円(○)に比べて大きい

③手前も奥も同じ大きさ

いかがでしょう?

じっくりと、二つの円を見比べてみてください。

答えは、

 

③手前も奥も同じ大きさ

なんです!!

定規などで両方の円の大きさを測ってみると分かると思います。

実は、私たちが見ているものは、経験に大きく影響されます。

この「トリック」をお伝えすると・・、

手前と奥に、サイコロの絵が描かれていますね。

このサイコロは、遠近法によって、同じサイズのサイコロと私たちは認識します。

そして、その同じサイズのはずのサイコロに、小さい円と大きい円が描かれているように見えてしまうのです。

実際には両者は同じ大きさの円であるにも関わらず、私たちは

同じ大きさのものが近くと遠くにあり、サイコロに占める円のサイズから想定して、「手前より奥の円が大きく見える」ようになっているのです。

つまり、私たちは常に正しいものの認識をしていません

経験によって「こうであろう」とプログラムされた脳に騙されてしまっているのです。

 

これまででおわかりだと思いますが、

私たちが実際に事実だと認識していることというのは、実は思い込みであったり、誤った認識によってフィルターがかかっている状態になります。

吃音のために、これができない、あれができない、とか

いつもではないのに、「必ずどもってしまうだろう」と頭のなかで書き換えられてしまう事は多いだろうと推察できます。

しかし、その事実に気付き、どもりを気にする事がなくなり、「多義図形」のように、その他の事に意識を向けられるようになると、非吃音者と同じように、どもりが背景になって意識すらしなくなるのです。

そうすることで、どもりは克服することができるはずです。

注意集中や分配のスキルを獲得し、

私たちの脳の働きに焦点をあてれば、どもりはすぐに解決できるでしょう。

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