言語聴覚士がトレーニングする構音障害や言語障害と吃音はどこが違うの?

kaunseringu

吃音を治すために、ことばの専門家である言語聴覚士のいる施設へ治療に通われた経験のある方は多くいらっしゃることでしょう。

よく聞く質問には、言語聴覚士による言語療法を受けることで、吃音が治るのか?ということだと思います。

吃音の治療、とりわけ成人している吃音者を治療する経験については、一般的に言うと、心理士も言語聴覚士も多くないと個人的には思っています。

つまり、吃音者を治療する経験は少ないだろう、と思います。

というのは、「言語に問題のある方、吃音の有る方を専門的に治療しています」とうたっている施設は本当にごく少数だと思うのです。

なぜ、そのような状況にあるかというと、吃音の有る方は多くの場合、「病院へ行って治療を受けよう」としないことがあげられると思います。

調査をしたわけではありませんので、私の経験上の感覚で申し上げているのですが、私のカウンセラー仲間や医療機関で働く言語聴覚士の方にお話を聴くと、「あまり経験がない」と答えます。

この部分については、病院に通院したいと考えている方、通院している方にとっては驚く事かもしれません。

ただ、これは医療機関や医療者の問題というよりも、吃音がもつ特徴に大きな理由があり、仕方がないことだと言えます。

吃音がひどく重度であったり、本人がその問題で困っていて、日常生活に支障が出ている場合には、医療機関に通おうとするかもしれませんが、多くの吃音者は自分の事が「おかしい」と感じていることが多いものです。

話す以外の場面では、健常者、非吃音者となんら変わりないのですから、それは当然の心理ですよね。

「うまく話せなくておかしい。これを人に知られたくない」

と考えて、自分の症状を隠して過ごされている方は多いのです。

それが吃音の症状がそれほどひどくない場合には、余計に吃音である事を隠している場合が考えられます。

隠すという事は、その事実を認めたくないという心理も働きますし、仕事を休んで病院へ通うということも難しくしてしまいます。

そのような背景もあって、吃音のために病院へ通う方が少ないのだと思います。

そうなると、ことばの専門家のところへ行っても治らないのではないか?と心配されるかもしれませんね。

吃音で困った患者さんが見えた場合には、カウンセラーも言語聴覚士も、その方のために対処方法を勉強したり、経験のある同僚に確認をしたり、ということを行うはずです。

しっかりと学ぶ姿勢のある専門家のところであれば、大抵、質の維持された対応をしてくださるはずです。

ただ、吃音者にしてみると、きちんと対応してくれる人なのかどうか、それを見極める必要が出てきますね。

まず、言語聴覚士が普段行っている支援やケアはどんなものなのか、それを知ることが頼りになるだろうと思います。

今日は其の部分をお話していきたいと思います。

言語障害や構音障害とはどんなもの?

カルテと医療者

言語障害や構音障害はどんなものをさすでしょう?

まず、言語聴覚士の先生たちがどんな人を対象にしているのか?

言語聴覚士協会の公式サイトから、患者・ご家族向けにわかりやすい文章がありましたのでご紹介します。

私たちは普段何気なく会話やメール、読書などを楽しんでいます。これらは全て聞こえやことばの機能を使って行われます。したがって、聞こえやことばの障害は目にはみえにくいのですが、社会生活をおくる上で深刻な問題を引き起こします。

言語聴覚障害は多種多様です。代表的な障害としては(1)聞こえの障害、(2)言語機能の障害、(3)話しことばの障害があります。その他、(4)食べたり、飲み込んだりすることの障害があります。

聞こえの障害では、話しことばが聞き取れないためコミュニケーションに問題が生じます。また、自分の話し声も聞き取れないため発音や声の大きさなどが不自然になり、円滑な意思伝達が難しくなります。先天的な聞こえの障害では、障害の程度にもよりますが、そのままでは日本語の習得に困難が生じます。

言語機能の障害には、ことばが年齢相応に育たない「言語発達障害」、“ことばが出てこない、意味がわからない”といった「失語症」があります。その他に記憶や注意、認知などが障害される「高次脳機能障害」も直接的、間接的に言語機能に影響します。いずれも脳の言語機能・高次の認知機能の障害によっておこり、円滑なコミュニケーションや学習、仕事の遂行などに影響を及ぼします。

話しことばの障害には、声のかすれや大きな声が出ないといった「声の障害」、発音が誤ったり歪んだり、呂律がまわらないといった「発音の障害」があります。脳血管障害、腫瘍、声帯ポリープなどさまざまな原因でおこります。不明瞭な発音や不自然な音声は聞き取りにくく、話しことばによるコミュニケーションに影響を及ぼします。

食べ物を噛んだり、飲み込んだりできない状態を「摂食・嚥下障害」といいます。食べ物が肺に入っておこす肺炎や食べ物による窒息など生命に危険を及ぼす可能性のほか、低栄養による体力・免疫力の低下、食べる喜びも失われます。

このように私たちが日常生活を送る上で欠かすことのできない、聞こえやことばの障害、嚥下障害を対象とし、障害のある方を支援する専門職が言語聴覚士です。言語聴覚士は専門知識・技術を用いて検査、訓練、指導・援助を行い、機能の獲得や改善、能力の回復・拡大を図り、障害のある方がよりよい生活を送ることができるように支援します。

(日本言語聴覚士協会公式サイトより引用:https://www.jaslht.or.jp/forpatient.html)

※言語障害は、上記で言う「言語機能の障害」を指し、構音障害は「話し言葉の障害」にあたると思います。

 

この引用をご覧になるとおわかりになると思いますが、「吃音」については触れられていません。

言語聴覚士の先生が対象にしている病気である言語障害や構音障害は、脳の障害に起因した症状のことをさす事が多いわけです。

たとえば、脳血管障害、脳外傷のほか、先天的に脳に機能障害があると考えられる知的障害の方などが、その病気や障害のために、話す/聞くことがうまくできなくなっている場合、言語聴覚士の先生による支援が行われることが多いのですね。

吃音は、脳の障害ではありません。

脳の障害であれば、人前であれ、1人であれ、うまく話せないものはずっと一貫して話せないはずです。

ですから、これら上記の分類には吃音は当てはまらないんですね。

しかし、公式サイトに掲載されていない、経験も少ないから、言語聴覚士の先生は吃音者への治療やケアをしていない、というわけではありません。

私が知る限りでは、(カウンセラーもそうですが)言語聴覚士の先生も、同僚や上司、先輩、師事する先生などに吃音治療のアドバイスを受ける事で、症状改善を目指そうと努力を重ねておりました。

ですから、よほどのことがない限り、非常に質の低いケアが提供される、ということはありません。

ただし、その言語の訓練は、性質上、言語に焦点をあて、言語を改善しようとつとめ、繰り返しトレーニングするタイプであることが多いです。

そうなると、相性にもよりますが、悪化するケースも出てきます。

吃音は、その吃音の症状にとても敏感であり、うまく話せない体験をすると、また一つまた一つと話せない言葉が増えていきます。

それは、自分の吃音症状に注意が過度に向いてしまっていることが影響しています。

ですので、その点を理解した上での治療を実践する言語聴覚士の先生かどうかも、吃音克服のための先生選びの大切なポイントになるかもしれません。

以下に、要点をまとめます。

吃音は、一般的な言語聴覚士が対象としている言語障害や構音障害とは、同義ではありません。

言語障害や構音障害は、脳機能障害に起因するものであるのが一般的で、吃音は脳の障害ではなく、心理的な問題をもった病気だと言えます。

ですので、心理面、言語面の二つの視点をもった治療者を選ぶ事ができれば良い選択になるでしょう。

 

 

 

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