高次脳機能障害、介護でのイライラや不安を和らげるには?小室哲哉さんの会見から

こんにちは、臨床心理士のちむです。

先日、話題になった小室哲哉さんの引退会見。

なんだか切なかったですね。

看護師さんとの不倫報道?が最初にあったと思うんですけれど、彼の会見を聞くと奥様の介護負担があったということ。

そして、仕事でのプレッシャーや責任、ご自身の体調不良も数年のうちに重なったのであれば、看護師という肩書きの需要的な女性に頼ってしまうのも、理解できますね。

実際には、男女の関係ではなく精神的なサポートということのようですが。

奥様のKEIKOさんが闘病している障害は、脳卒中が原因にある「高次脳機能障害」です。

あまり聞きなれないこの障害は、実はとても身近な障害とも言えます。

今日は、この高次脳障害について解説することと、高次脳機能障害の介護について少し整理していきたいと思います。

高次脳機能障害について

高次脳機能障害は、脳の機能が障害されることによって起こる「記憶・注意力・思考や判断・遂行機能などの高次機能が障害」されたものです。

脳卒中や交通事故後の脳の損傷が直接的な原因であり、それをきっかけに発症する後天的な障害です。

似たような症状を呈するものに、発達障害もあります。

発達障害は、先天性の強い障害で、こちらも脳の機能が低下しているので注意力が障害されたり、理解や判断力が低下する場合もあります。

先天性が強い、というのは生まれながらに脳の働きがそうなってしまっているんです。

事故や脳卒中は、脳に不可逆的な傷害をおったことで機能低下がおきますが、発達障害に起因する高次機能の低下は生まれながらに、脳の働きが偏っている、と言えます。

後天的か、そうでないか。

怪我や病気をきっかけにしているかどうか。

ということが目安になります。

高次脳機能障害が身近なものであるというのは、脳出血や脳梗塞は歳を重ねることに誰もが起こす可能性がある病気だからです。

生活習慣に気をつけていても、体質やストレス、環境変化などから影響を受ける場合だってあるでしょう。

いつ起こるかわからないのです。

事故後の頭部外傷も、いつ事故に遭うのかはわからない。

そういった意味では、とても身近で、誰もがそういった障害を抱える可能性があると言えるからです。

さて、高次脳機能障害について詳しく見ていきましょう。

私たちが普通に生活するために必要な能力が、高次脳機能です。

例えば、さっき食べた食事のこと。昨日あった人のこと。話した内容。約束した日付。

こうしたことを覚えられなくなってしまったら?

とても困りますよね。

これは、記憶障害と言われます。記憶するのはとても高度な能力です。

それを私たちは意識せずにできています。

新しいことが覚えられなくなってしまったら、私たちは社会生活で適応することが難しくなってしまうでしょう。

そのほかによく認められるのは、注意障害といわれるものです。

私たちは、雑多な人混みの中でも、友人の話す声に耳を傾けることができますよね。

または、講演を聞くときには注意を集中し、その時間、スピーカーの方が話すのに意識を向けることができます。

注意力が低下すると、落ち着かずにソワソワして、人の話にも集中することができません。

また、作業においても単純ミスを起こしがちで、仕事を任せることが難しくなります。

「遂行機能障害」という難しい障害もあります。

遂行機能障害は、物事をするためには優先順位を決めたり、計画を立てるなど段取りを組んで効率よく作業することが必要になります。

遂行機能障害になると、段取りが困難になったり、自主的に活動が困難になったり、計画を立てるのが難しくなります。

よく例えられるのが料理です。料理をすることは能力が高くなければ遂行することができません。

例えば、今日作る献立を考え、人数分の分量を考え、時間配分をして効率的な作り方をする、といった一連のことが必要になります。

そして、誰かの指示が細かくなければ遂行が困難になるわけです。

そのほか、性格が変化して、退行・依存的な場面もありましたが、明るかった人が社交的でなくなったり、怒りっぽくなったりします。こうした障害を総称して、高次脳機能障害といいます。

高次脳機能障害は、受傷してすぐにリハビリするわけですが、数年単位で変化する障害です。

現在のリハビリテーション病院などでの入院は一般的には三ヶ月程度ですから、実際には期間が短いと思います。ただ、日常生活上は大丈夫そうに見えるんですよね・・。

退院後も少しずつ少しずつ変化しながら、時を重ねることになるのですが、身体的な問題がない場合は特に、患者さんやご家族は「大丈夫だろう」とリハビリを早めに切り上げてしまう方がいます。

そうした場合は特に、退院後に「なんか様子がおかしい」といって、また病院を訪ねることになるのです。

ここで申し上げたいのは、この病気は外見上からわかりづらい病気、ということです。

一見すると、何も問題なく、普通に日常生活を送れそうだな、と判断されやすいのですね。

そうした誤解は、高次脳機能障害の方や家族を苦しめてしまいます。どういうことかというと

「退院して、大丈夫そうね」といった誤解で、家族や周囲から協力が得られにくい場合があるのです。

私の知っている患者さんは、そうした誤解から最終的に一人で患者さんをサポートするようになりました。

記憶の障害や注意力の障害は、毎日の生活を円滑に送ることを難しくしてしまいます。

身体的には自立をしていても、精神的に介護負担は非常に大きいです。

なんども同じことを聞いたり、促さなければ何もしなかったり、お箸を上手に使えなかったり、子供のように色々と教えてあげなければならなかったり。

こちら側がしっかりと相手と向き合う態勢を作っていなければ、ストレスになってしまうこともしばしばです。

さて、それではこうした患者さんをケアする際に生まれる自分自身の負担感、どのように対処をしていけばいいでしょうか。

 介護の負担、イライラや焦燥感をどうするか

それでは、高次脳機能障害の患者さんを介護する人がどのようにしてイライラや焦燥感を軽減させているのかについてですが・・。

私が関わった患者さんやご家族を見ていると、一つには「人に話す」ことですね。

特に、当事者同士でのサポートは有効になります。

同じ、障害者を抱える身で、悩む内容は違うけれど、同じようなことを抱えています。

少し先輩から話を聞けば、「こうすれば良いんだ」と学びになったり、心理的に追い詰められているときは気持ちの切り替え方を教わったりして、お互いに良い影響をあたえます。

当事者同士でのサポート、患者会などに参観するのもいいですし、入院中に知り合った人同士で連絡し合うのも良いと思います。

ぜひ、気のおけない仲間を作って、話してカタルシスを得られるように調整してください。

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