パニック障害で病院受診(診断)して落ち着く方法(自律訓練法等)を事例から

kaunseringu

パニック障害でお困りの方は、多くの場合、「こんな症状が出ている時にはどうしたらいいのか?」などと具体的な対処方法を知りたいとお考えだと思います。

パニック障害は、その原因が「脳機能異常」にあると解説しました。

そして、自律神経が乱れてしまい、様々な症状が出現します。

自律神経の乱れによって、突然、動悸や息苦しさ、めまい、吐き気などの症状に見舞われるのです。

パニック障害は、パニック発作が何ら誘因もなく起こることがあるため、患者さんは予期不安を持ちやすいと以前紹介しました。

予期不安とは、「また同じ発作が起きたらどうしよう?」といったものから「この発作で死んでしまうかもしれない」というものまでさまざまあります。

 

臨床例を紹介を見ながら、病院受診、症状対処まで見ていきましょう。

事例

ハーブ(画像)

A子さん(16歳)は学校の朝礼の時、とつぜん激しい動悸といまにも窒息するのではないかという症状が出現したため、その場を離れ、保健室へと連れていかれました。

少し横になると落ち着いてきましたが、念のためその日の午後に地元の大きな総合病院を受診しました。

病院では心電図などの様々な検査を行いましたが、「特に異常は認められない」という結果でした。

しかし、ホッとしたのもつかの間で、その日の帰りに同じ症状に襲われ、バス停の前で座り込んでしまいました。

その後、自宅にいても、学校にいても突然症状が現れるため、「また発作が出たらどうしよう」「このまま死んでしまうのではないか」と不安になり、学校を休みがちになり、家から出ることが控えるようになりました。

上記の例は、パニック障害の典型で、発作が続いたものの異常はなく、「また起きたら」という不安(予期不安)にさいなまれ、外出が怖くなり、家からでなくなって(広場恐怖)、日常生活に制限が生じています。

見ていただくとわかりますが、異常がないことから、身体科の医師は処方はすることはしません。

例えば、「動悸がして苦しい」なら恐らく循環器内科を受診します。

しかしパニック障害の場合、心臓に病気があるわけではないので、お薬を出すなどの処方をすることはできません。

対処するカードが無いわけです。

ですから、「様子をみて、また症状が出るようなら来てください」という、患者としては満足できない結果になるわけですが、それは仕方無いのです。

しかしなお、何度も症状が続き、受診が続くと、「これは、心理的な問題?」と医師も気になってきます

そうなると、私(主治医)の手にはカードは無いので、他科受診してもらうように提案されるわけですね。

多くの医師はパニック障害の例を経験しているはずですから、自分で診療せずとも、きちんとフォローできる医師を紹介していきます

(ですから、「先生は何もしてくれない」と言って、受診をしないという選択よりも何度か通院してみて、先生の出すカードを待つのもいいと思います。)

精神科や心療内科も標榜している総合病院であれば、そのまま院内コンサルトといって、同じ病院内で他の先生を紹介されます。

主治医は内科の先生、並行して心療内科の先生に担当してもらう、と言う感じです。

A子さんは何度かパニック発作に襲われたため、その都度母親に付き添ってもらいながら病院を受診しました。

異常がありません・・が何度か続いたとき、主治医より「A子さんは身体的には異常がないのですが、時々、脳機能の異常によって症状が起こる場合があります。その症状を治療してくれる先生がいますが、紹介してもよいですか?」と聞かれました。

紹介されたのは、同じ病院の精神科でした。

さて、精神科ではどのような診療を行うのでしょうか。

精神科受診

医師(画像)

精神科は多くの場合、初回では「インテーク面接」を行って後、精神科医師が診察し、お薬を処方する、という流れになります。

初回のインテーク面接は、医師が行う場合もありますが、マンパワーが充実していれば看護師・臨床心理士・精神保健福祉士・ケースワーカーなどが行うことがあります。

1時間程度じっくりと話を聞いてくださることが多いです。

みなさん、受容的に話を聞くというトレーニングをしていますから、心配せず、ゆっくりと自分の考えを時間経過を追いながらお話してください。

インテーク面接では、医師が診断を行うのに必要な様々な情報が聞かれます。

主訴(どのようなことでお困りで病院受診しましたか)、生育歴、現症歴(今の症状が出ている経過)、既往歴(これまでの病気) などをおもに聞いていきます。

簡単な心理検査を実施する場合もあります。

その後、医師がインテーク面接の情報を元に、患者さんへ問診していきます。

お話を聞いた後に、医師などの医療者はどうしているかと言うと、精神医学的な診断をまず見立てます。

DSMやICDという診断マニュアルを用いながら、症状を分類して、適切な診断を探していきます。

マニュアルができる前までは、診断は医師それぞれの裁量にゆだねられており、違う医師で診断が変わってしまうということが起こっていました。

精神科の診断は、曖昧な部分が多いのです。

診断が不統一になってしまうことで、臨床の現場は混乱しますし、治療についての研究も行うのが難しくなってしまいます。

しかし、マニュアルに沿って(操作的診断といいます)診断していけば、その問題がある程度解消されます。

(話がそれましたが)精神医学的診断名を付けることによって、より適切な治療方法を選択することができます

そして、見通しをある程度たてることができるのです。

 

A子さんは精神科の医師より、パニック障害の診断を受け、投薬治療が開始されました。

パニック障害の治療では抗うつ薬や抗不安薬が出されることが多いです。

しばらく、服用を続けているとパニック発作の頻度は減っていきました。

しかし、パニック発作が治まっているにも関わらず、人前に出ると「また起こるのではないか」「いま、ここで起こってしまったらどうしよう」という考えに苛まれ、やはり外出は思うようにできませんでした。

そのうちに生活リズムも崩れ、家では落ち着かず、夜も眠れなくなっていきました。

上記のような状態になった時、ただお薬を続けていけば治る、とは言えません。

発作が減れば、予期不安も消える、と考えられそうですが、実際には予期不安や外出恐怖(広場恐怖)が続き、それが苦痛を生じて二次的な症状を起こすことが多いのです。

精神科主治医から、「カウンセリングを導入して見ましょう」と提案されました。

怖くて外に出られない、また起きたらどうしようという不安が続いていると伝えたからです。

カウンセラーには、主治医と同様にこれまでの経過を伝え、困っているところを正直に話しました。

カウンセラーは丁寧に話を聞き、「それでは、自律訓練と行動療法をとりいれてみましょうか?」と言われました。

発症して一年が経とうとした頃、初めてカウンセラーと出会います。

カウンセラーからは自律訓練と行動療法をしましょうと提案されましたが、どのような治療なのか?見ていきましょう。

自律訓練とは

胸を開く

自律訓練とは、催眠療法から端を発している治療法です。

現在、いろいろな場所で利用されていて、リラックスするための技法として、本に紹介されたり、ネットに出回っています。
自律訓練は、自分で一種の自己暗示をかけて身体に働きかけることをします。

下記のような公式をとなえていきます。

背景公式(安静練習) 「気持ちが落ち着いている」
第1公式(四肢重感練習) 「両腕・両脚が重たい」
第2公式(四肢音感練習) 「両腕・両脚が温かい」
第3公式(心臓調整練習) 「心臓が静かに規則正しく(自然に)打っている」
第4公式(呼吸調整練習) 「楽に(自然に)呼吸(息)をしている」
第5公式(腹部温感練習) 「腹(胃のあたり)が温かい」
第6公式(額部涼感練習) 「額が心地よく(快く)涼しい」
引用:松岡洋一・松岡素子 1999 自律訓練法 日本評論社

椅子に腰かけたり、ベッドに横になったりして、リラックスした姿勢を心がけます。

目を閉じて、深呼吸を数回。そして、呼吸を整えます。

その安静になった状態で、上記公式を頭の中で唱えていくわけです。

「気持ちがとても落ち着いている・・・気持ちがとても落ち着いている。両腕が重たい・・・両腕が重たい・・・気持ちがとても落ち着いている・・気持ちがとても落ち着いている・・」と繰り返します。

その際、「落ち着け、落ち着け」と一生懸命になるのではなく、「落ち着いたらいいな」というくらいの心持ちと、「腕が重くなるといいな」と身体に意識を向けるようにします。

そうすることで、実際に「腕が重く」なります。

重くなるのはどういうことかというと、普段筋緊張している身体が、ゆるみ、弛緩した状態になります。

それをうまくできるようになったら、今度は音感練習といって、「両腕が温かい」と唱えるわけです。
一日に2-4回程度実施し、終わりには消去動作といって、手足をグーパーしたり背伸びをしたりする動作をします

この訓練は、自律神経に働きかけると言われます。

自律神経はとてもデリケートであり、視床下部でコントロールされますが、それは感情の影響を受けやすいと言われます。

そのため、ストレス対処として自律神経に働きかけるといわれる自律訓練法がよく使われる療法になっています。

この方法は実施することで、「集中力があがる」「よく眠れる」「身体の緊張がほぐれ、痛みが軽減する」などの効果がありますが、即効性があるわけではありません。

毎日続けて、副交感神経を働かせるのがうまくなっていきます。

A子さんは、自律訓練法を実施することで、不安になりかけた時の対処を学びました。

カウンセラーより「もし、発作が起きそうで不安になったら、自立訓練を実施するように」と言われ、それを実施しました。

そうするとだいぶリラックスして過ごすことができるようになりました。

(※行動療法についてはまた今度紹介します。)

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