心身症になりやすい人の特徴とは?過剰適応・アレキシサイミアと心身症の関係

hitobito

身体の病気の原因として、心理的な問題がある場合には、それは心身症である、というお話を以前ご紹介いたしました。

心身症とは?その診断と症状、治療まで

心身症になりやすい人とは?

道頓堀人ごみ(画像)

今日は、心身症になりやすい人とは?という観点から考えるにあたり、過剰適応とアレキシサイミアのタイプについて紹介していきたいと思います。

それをご紹介する前に、ライフサイクルという視点が実はとても重要であるので、それについてお話をしていきます。

心理学の中に、発達心理学という分野があります。

発達心理学は、人が生まれて成長・発達する過程を研究する学問です。

特に成長の著しい乳幼児を対象にして発展してきました。

成長という視点からは、身体的にストップしてしまう青年期当たりまでを対象にしていたのですが、近年では人は一生涯発達しうるものだという考え方が浸透し、生涯発達心理学の分野も発展してきました。

そのような背景から、ライフサイクルという視点で心理的な成長・課題の達成が考えらえるようになりました。

エリクソンは、社会的発達という概念を提唱していて、それはそれぞれの時期に発達課題が人には与えられていて、それを段階的に踏んでいく事、達成していく事が大切であるとといているモデルです。

もし、課題の達成に失敗すると、そこでつまづき、その課題から上の課題にも支障が生じてきます。

さて、それぞれの時期での成長、発達を見ていきたいと思います。

乳児期 (生まれてから1歳ころまで)

赤ちゃん(画像)

このころの私たちは、「母親」に依存して生活をします。

母親からの愛情を十分に受けて、他者や社会に対して信頼感の基本ができてきます。

これを基本的信頼感といいます。

母親(もしくは母親に代わる重要な他者)からの愛情を十分に受けられないと、基本的信頼感を育てることができませんので、人間に対する不信がうまれてきます。

赤ちゃんがミルクを欲しがったり、おむつを替えてほしいと泣いたりするときに、そのサインをキャッチし、対応してもらう。

そして、赤ちゃんは母親へ積極的なつながりを求める行動をし、そして母親はそれに応えるということを通して、愛着が形成されていきます

愛着(アタッチメント)はとても大切な概念で、人と親密な関係を維持するのに必要な基本的な概念となります。

その時期にうまく母親と関われてこなかった場合には、人への不信、親密になれない、

情緒不安定といった問題が起こりやすくなります。

幼児期後期 (1-2歳)

言語が発達してくると、いわゆる「魔のイヤイヤ期」に突入し、自我が認められるようになります。

基本的な生活動作に対するしつけも始まることで、自律性が養われていきます。

フロイトは、この時期をトイレットトレーニングの時期に合わせて肛門期と呼びました。

この時期の厳しすぎるしつけは、攻撃性・自己中心性・自信の無さ・自己嫌悪を生むといいます

幼児期後期 (3-5歳)

このころ、弟や妹が生まれたり、保育園や幼稚園入園などによって母子分離が図られます。

母子分離がうまく進めば、自立に踏み出していきます。

この時期には、自発性がうまれたり、物事が思い通りにならない時に罪悪感を感じやすくなったりする時期になります。

このころから、言語の能力が飛躍的に伸び、ごっこ遊びなどを通して抽象的な思考も可能になっていきます。

学童期 (6-10歳)

ランドセル(画像)

集団生活のなかで、勤勉さや忍耐力がつくようになります。

このころ、それが行きすぎたりすると劣等感、疎外感が強まってしまいます。

心身症的な兆候として、緊張性頭痛、過敏性腸症候群、不登校などの症状、問題が起こることがあります

思春期・青年期(11-24歳)

このころになると、自我意識が強く芽生えるようになります。

「自分はどういう人間であるのか」「自分って何だろう」というようなことを考え、意識が自分に向き始めます。

この時期は、自分がどうあるべきかについて悩み、試行錯誤する時期であり、モラトリアム(執行猶予期間)ともいわれます

なかには、逃避したり、非行に走るなどして、自分自身を見出せないでもがいているような、そんな「若気の至り」ともいえる行動がとられます。

外見上、適応しているような者でも、実は心身の不調を感じ、不適応感を感じている場合もあります。

摂食障害、過敏性腸症候群、過換気症候群などはこの時期に多い症状といえるでしょう。

成人初期 (25-35歳)、成人期 (35ー64)

成人初期は、心身ともに成熟に向かいます。

そしてこのころ、対人関係スキルの高さでストレスの度合いが変わってきます。

うまくいけば、親密性を維持でき充実しますが、失敗した場合には孤独を感じるようになります。

男性、女性ともに、結婚や家族が増えるなどによりライフスタイルが大きく変化する時期にもなります。

このころから、生活習慣の変化による生活習慣病、気分障害の発症がよく見られます

成人後期では、身体機能が下降傾向となります。

子育てに没頭していた人は、子どもが巣立つことによる役割の喪失、生きる目的を見失うなどによってうつ病が起こることがあります。

また、女性に関しては更年期障害も起きてくる時期であり、心身の変化についていけないという状況が起こります。

うつ状態、神経症や心身症が起こりやすい時期といえます。

老年期 (65歳以上)

老年期に入ると、長い人生の最終章になるわけですが、成熟・完成の時期である一方、多くの喪失体験をします。

仕事をなくす、配偶者を亡くす、役割が減る、身体機能の喪失、知的機能の低下 などです。

れによって、悲哀や悲嘆、「絶望」という否定的な感情を感じやすい時期であり、老年期うつも気を付ける時期です。

上記のような形で、人生の各段階において、様々な心身状態の変化、環境の変化が起き、心身へ影響を及ぼしていきます。

「心身症になりやすい」人というのは、いくつかのタイプは存在するものの、変化のあるすべての人に起こりうることであることから、「誰でもがなりうる病気」といってもいいかもしれません。

なりやすいタイプはあるのか?

イス(画像)

以前、自律訓練についてお話をした際、「感情」を発散できないことで身体の緊張を蓄積してしまう、ということをお話ししました。

自律神経失調症やパニック障害がある人のリラクセーションに、自律訓練を実施する具体的な方法

感情を表出しない傾向というのは、いくつかあります。

  • 過剰適応
  • アレキシサイミア

が大事な概念だと思われます。

過剰適応というのは、本人が意識するしないにかかわらず、その環境の状況に応じて、自分を適応させようとする過程で起こる反応です。

適応できるということは素晴らしい能力であり、様々な人間関係・生活リズム・業務の種類などをうまくこなし、消化していっています。

しかしながら、自分の能力の限界を超えるポイントに気づけていない場合には、「過剰適応」を引き起こします。

「感情」の強度はひとそれぞれ特性があり、どのような刺激や場面でどれだけの強さの感情が出てくるのかは個人差によるところが大きいです。

しかし、自分の感情の状態にしっかりと気づけていなければ、「ここらへんが限界だな」とはならないわけで、自分にとってストレスフルな環境にずっと身を置いたままになってしまいます。

以下に例をあげてみましょう。

 

病棟主任の看護師Aさんは、やる気がいっぱい。

いろいろな仕事に協力を惜しまず、業務外の委員会活動も精力的にこなしていました。

もちろん、業務後に残業しても苦じゃありません。

Aさんは、役に立つことがうれしいし、自分の仕事が評価されることももちろんうれしい。

そのため、休日も勉強し、平日は残業の日々でした。

「Aさんにお願いすれば、大抵のことは大丈夫」という雰囲気も、病棟内にはうまれつつありました。

そんななか、異動の辞令がありました。

異動先は病棟ではなく、管理業務であり事務作業が中心です。

患者さんと接することはありません。

しかし、一人でこなさないといけないため、頼まれては引き受けて、という連続であり、業務量は膨大に膨れ上がっていきました。

慣れない事務作業でプレッシャーを感じていたある日、体調の変化を感じます。

大事な会議の前になると胃が痛くなり、下痢がひどくなります。

しばらくそれが続き、自宅から出れなくなってしまい、1か月の休職を余儀なくされました。

 

上の例は、すごく能力の高い看護師さんのお話ですが、あまりにもパワフルに動いて、プライベートの時間も削り、疲労も感じずに過ごしてたわけです。

しかし、突然それが止まってしまう時があります。

過剰適応して、過活動となり、エネルギーが枯渇して、あるタイミングで体調を崩してしまうわけです。

過剰適応になっている方の多くは、

「疲れている」

「こんな仕事を押し付けるなんて嫌だ!」

「あの人は仕事をあまりしていないからイライラする」

などのネガティブな感情は、見ないように、感じないようにすること(アレキシサイミア)で、自分を保っていることが多いです。

Aさんは、感情を意識せずに閉じこめ、仕事をし続け、疲労がたまり、爆発したのでしょう。

大切なのはまず、感情を表現することや身体的なサインに気付けるようになることだと思います。

こちらの記事を参考にどうぞ→メンタルを強くするマインドフルネス瞑想はどのような姿勢で臨むべきか

まとめ

海(画像)

  • 心身症になりやすい人とは?以下にまとめられます
  • 過剰適応タイプ、感情を言語化できない(アレキシサイミア)タイプはなりやすい
  • 一方で、誰にでも人生のさまざまな段階で心身や環境の大きな変化があるため、「誰もがなる恐れがある」ともいえる

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