うつ病の悪化要因について。薬と副作用の観点から

kusuri-fukuro

うつ病の患者さんが増えてきているという記事を以前に書きました。
(以前の記事はこちら→うつ病って甘えなんじゃないの?と思われる時の接し方。日内変動から解説

その要因としては、「心の風邪」と例えられるように、一般的に馴染みがある、ポピュラーな病気になってきており、うつ病が認知されるようになってきていることがあげられます。

それによって、早期受診が増えてきているのです。

他の病気もそうですが、早くに受診して治療を開始することで、治療により良い効果が表れますから、これは良い傾向と言えます。

一方で、やはり社会構造が変化し、時代の流れが急速になり、ストレス社会と言われますように、社会や環境から受けるストレスも見過ごせない要因の一つです。

うつ病の症状としては、抑うつ気分が続く、興味や関心が持てなくなる、意欲の低下、朝が起きられない、眠れない、食欲の増減、頭痛や肩こりなどの身体症状の変化などがあげられますが、より具体的には以前の記事でご紹介をいたしました。
詳しくはこちら→うつ病の症状と改善するための治療方法について

心の病気と言われるものは、たいていの場合「怠けではないのか?」と偏見を持たれることが少なくありません。

うつ病のよくある症状として、意欲の低下や朝が起きられないなどの行動変化を伴う症状については、上記のような偏見を持たれる方も多く、治療に必要な休養をとることができないままの方もいます。

そのような現状に対しては、まずは病気に対する知識を啓発することはとても大切だと思っています。

今日は、うつ病の治療についてスタンダードな方法をご紹介させていただきます。

うつ病の診断がくだされた場合

  • 薬物療法
  • 休養
  • 環境調整

が行われます。

大きな柱となるのが、薬物療法ですが、こちらは後述します。

まずは休養と環境調整についてご説明します。

うつ病は、エネルギーが枯渇している状態です。

エネルギーを回復させるためには薬物療法だけでは不十分であり、仕事や学業その他、今まさにやっている活動を休止させる必要があります。

状況によっては、休職・休学を余儀なくされる事も多いです。

主婦などの場合には家族からの協力を得て、一時的な精神的休養をとることが大切です。

休職や休学は、医師からの診断書、学校医や産業医と相談しながら進めることができます。

「どうすればいいの?」という時はぜひ、学校であれば保健室や医務室、保健師さんなどに相談をもちかけると良いでしょう。

また、仕事を続けながらでは、薬物療法として使えるお薬にも制限があると言われます。

充分な量を投与されなければ、改善されるものも改善されません

めいいっぱい、治療に専念するためにも休養は必要なのです。

そして、休養といってもずっと横になっている必要はありません。

身の回りのことをするのはもちろんOKです。

しかし、だからといって過活動にならないように注意します。

よく眠ること・食生活が乱れないように気を付けましょう。

自分の気持ちの向くままに、身体や心からのサインをみのがさないようにしましょう

サインを見逃さないというのは、動くことがおっくうであれば、休んだり、お腹が空いたら食べたり、肩が凝っていたらストレッチをしてみたり、というような感じです。

休養できるように周囲の状況を整えることを環境調整といいます

休職などをする場合には職場の方に伝える、同僚にも手伝ってもらう、家族に理解してもらい、家で休めるようにする、などをいいます。

また、その他にも、家族内の人間関係で悩んでいたり、最悪なケースでは虐待やDV被害に遭っているケースでは、その加害者と物理的に接触しないようにします。

このように、ストレスの場面を避ける、作らないことも含まれています。

それでは、本題の薬物療法についてお話ししていきます。

薬物療法について

うつ病の患者さんは、非常に悲観的になっていることが多く、「何をしてもよくならない」と感じてしまいます。

ですから、支援者の役割は、患者さんやご家族に、うつは良くなる病気であり、薬物療法によって改善する見込みがあることを伝えなくてはなりません

現在、うつ病の原因としては脳内の神経伝達物質のうち、特にノルアドレナリン、セロトニンの異常が指摘されています。

薬物療法の基本は抗うつ薬となります。

必要によっては睡眠導入剤や抗不安薬を併用していきます。

主な抗うつ薬の種類は以下の通りです。

  • 三環系抗うつ薬
  • 四環系抗うつ薬
  • SSRI
  • SNRI

があります。

三環系抗うつ薬の一般名/代表的な商品名と、副作用について

imipramine/トフラニール

amitriptyline/トリプタノール

clomipramine/アナフラニール

amoxapine/アモキサン

tramadol/トラマドール

trimipramine/スルモンチール

nortriptyline/ノリトレン

dosulepin/プロチアデン

lofepramine/アンブリット

副作用:頻度が高い副作用としては、喉が渇きやすい、便秘、眠気、身体の違和感、起立性低血圧など。

低頻度の副作用として、気分が悪くなる、嘔吐、排尿困難 などがある。

特徴:三環系抗うつ薬は、うつ病に対する効果は優れているけれども、副作用の出やすいお薬と言えます。

三環系・四環系ともに、セロトニン・ノルアドレナリン以外の神経伝達物質(アセチルコリン)にも作用するため、副作用が出やすいようです。

 

四環系抗うつ薬の一般名/代表的な商品名と、副作用について列記します。

maprotiline/ルジオミール

mianserin/テトラミド

setipiline/テシプール

副作用:頻度の高い副作用としては、眠気、のどの渇き、めまい があげられます。

低頻度の副作用としては、便秘や脱力。

特徴:三環系に比べると副作用がマイルドなようです。

 

SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)の一般名と主な商品名

fluvoxamine/ルボックス

paroxetine/パキシル

sertralin/ゾロフト

fluoxetine/プロザック

副作用:高頻度の副作用としては、胃部不快症状(気分が悪くなる)、吐き気、のどの渇きがあります。

低頻度の副作用としては、便秘、眠気、めまい、全身倦怠感があります。
特徴:SSRIは、セロトニンに選択的に働きかけるため、副作用が少なく、安全性が高い事で知られます。

SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)の一般名と主な商品名

milnacipran/トレドミン

duloxetine/サインバルタ

副作用:高頻度の副作用としては、胃部不快症状(気分が悪くなる)、吐き気、のどの渇き、頻脈があります。

低頻度の副作用としては、便秘やめまい、排尿困難があります。

うつ病の治療にSSRIが多用されるようになったのには、副作用が少ないため、投与する量を徐々に増やすという手間が省けたことだと言われます。

重症の副作用が出てしまう恐れのある三環系などはその作用の出方をチェックしていくため、必要量までの薬物量を投与するのに、少しずつ量を増やしながら処方していきます。

しかし、SSRIであれば副作用が少ないことから、最初から必要量を出す事が可能だということです。

それでも、三環系は高い抗うつの効果が認められているので、臨床現場でもよく患者さんに投与されているのを見かけます。

悪化要因について

精神科のお薬を飲んでいる場合には、その効果が見えにくいという難点があります。

身体疾患であれば、傷が良くなった、腹痛や頭痛が消えた、痛みが弱まった、感冒症状が無くなったなど、非常にわかりやすいと思います。

しかし、抑うつ気分や意欲など、患者さん自身の主観でしか、お薬の効果は見えません。

そうなると、本人が普段意識しなければ変化をとらえる事ができません。

(うつ病のみならず、ですが)精神科のお薬を服用している患者さん全体に言えることだと思います。

先ほども述べたのですが、お薬の量を徐々に増やしていくという作業や、何種類ものお薬の中から、患者さんにあった薬を選んでいくため、精神科のお薬はさじ加減がとても難しいと言われます。

良いお薬に出会う前に「効かないから止めた」「通院を止めた」ということを時々見かけますが、それは症状を悪化させる原因になります。

また、主治医とのコミュニケーションがうまく行かないということも問題です。

精神科や心療内科へ通われる患者さんは、対人恐怖や視線恐怖など人との関わりがうまく行かなくなった患者さんもいますし、不安が高かったり、「自分が頑張らないから良くないんだ」「先生に迷惑かけている」などという悲観的な考え方によって、自分の気持ちや考えを伝えないでいてしまうこともあるでしょう。

そのため、薬が効いてないと思っていることや副作用で悩んでいることを伝えきれずにいる可能性があります。

その事で通院や服用を断念することは、治療中断に繋がり、症状を悪くする恐れが有ります。

話しにくい先生が確かにいらっしゃることも聞かれますが、通院はしましょう。

そして、出来る限り気持ちを伝えましょう。

どうしても無理は時は身近な家族を連れて行き、家族から聞いてもらうのも良いと思いますよ。

辛い症状は、一生続くわけではありません。

皆さんの気持ちとしては長い長いトンネルで光が見えず、いつまでやるのか?いつまでこんな状態なのか?と焦りもあることとと思います。

その焦りと向き合うことでも、自分の事が理解できることがあります。

それが、ひとつの光に繋がる事も多くあります。ぜひ、医療者や支援者とのつながりは大切にしてほしいと思っています。皆さんに光が見えますように。

まとめ

うつ病の治療の柱には、薬物療法、休養、環境調整 があります。

うつ病に使用する薬物療法のうち、抗うつ薬をご紹介しました。

悪化の要因として、服用の自己中断や通院しなくなることがあります。

家族に付き添ってもらい、話を聞いてもらうのも一つの方法です。

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