うつ病の頭痛・吐き気・めまいなど身体症状の現れ方と経過

shoujou

うつ病は心の病ですが、身体症状を伴うことが多いのが特徴です。

うつ病の診断についてはこちらを参考にしてください。

うつ病にかかった時、その前兆として「眠れない」「食欲がおちた」という症状はよく聞かれますが、一見すると身体的な病気のように見える頭痛や吐き気、めまいもうつ病の症状の一つである場合があり、精神症状が現れる前に出てくることが良く聞かれます。

どのようにしてそれを見分けるのか?

それは、まず前提としてその身体症状には原因となる病気が見つからないということです。

これまでは、頭痛などを訴えることで身体的な病気を疑って病院めぐりをし、なかなか診断がつかない・・ということが多かったと聞きますが、現在ではうつ病が良く知られるようになり、うつ病かもしれないといって身体を診てもらう前に心療内科などを最初に訪れる方も増えています。

しかし、精神科や心療内科では身体的な病気の有無については精査することができませんので、実際には経過中に「脳腫瘍が見つかった」「癌になっていた」などの疾患が隠れている場合もありますので、注意が必要です。

診察だけで見分けるのは医者でも難しい事が多く、やはり各種検査などが必要になりますから素人判断で決めつけないように、一般身体科、精神科や心療内科というように両方で診察を受けるのが望ましいでしょう。

さて、病院ではうつ病の診断がつけられたところで、薬物療法が開始されるかもしれませんね。

症状が軽い場合は薬物療法を導入せずに経過を見る場合もあるようです。

薬物療法が開始された後は丁寧にその後の精神状態や身体症状の経過を追いながら、薬の量が調整されることでしょう。

うつ病の身体症状は、うつ病が軽快しないことには症状は変化しません

でもだからといっていつまでも暗いトンネルから抜けることができないというわけではありません。

自然経過として、1年弱ほどで症状は回復してくると言われていますし、薬物療法によってその期間はより短縮されていて、個人差はありますが、短い期間で快方へ向かうケースもあります。

(中には難治性のうつもあります)

クレイネスによるうつ病の経過モデル

クレイネスによるうつ病の経過のモデルが示されているのでご紹介します。

クレイネスはうつ病が発症してから回復するまで、症状が軽快したり、悪化したりを繰り返して症状は変遷していくといっています。

クレイネスによるうつ病の経過

(クレイネスのうつ病の症状の経過)

第1ステージ

最初のこの段階はうつ病が現れた頃になります。

心身のエネルギーが低下していき、心身のいずれかに症状が偏って出現してきます。

集中力の低下のほか、物事へ根気よく取り組むことができず、仕事や家事、学業がうまくまわらなくなります。

このころは特に、焦りも強く出てきがちで、無理に仕事を頑張ってしまったり、症状を軽く見てしまって放置してしまうこともあります。

早朝覚醒(朝早くに目が覚めてしまう)、食欲の低下を認め、疲労感が増してきます。

身体症状についても血圧が上昇したり、頭痛や吐き気、めまいといった症状が個人差がありますが現れます。

第2ステージ

このころは、身体症状の後ろに隠れていた精神症状が著しくなり、心身ともに症状が強く出てきます。

精神症状としては、考えがまとまらない、ボーっとしてしまう、物忘れを自覚します。

気分的には、罪悪感や劣等感などに苛まれやすく、激しく上下し、焦りや不安などが押し寄せてくることも見られます。

睡眠時間に十分に休養をとることができず、疲労感が蓄積されます。

第3ステージ

この頃は、症状が一番落ち込み強く現れている時期です。

いわゆる「底」の状態です。抑うつ気分は一層ひどくなり、「死にたくなる」という思いにかられるのもこの時期でしょう。

しかし、このころは「死にたい」と思ってもそれを実行へ移すまでの行動力は伴っていないことが多いです。

第3ステージ、第4ステージを抜けると今後はゆるやかに快方へ向かいます。

第4ステージ

「底」の状態を通りす時期、ゆるやかに快方へ向かう入口にたったところです。

この時期もまだ落ち込んだ気分、ひどくふさいだ気分は続いており、身体を動かすことさえ億劫な時期です。

食欲・睡眠欲ともに減少し体重の減少や不眠が続く時期でしょう。

第5ステージ

この時期になると、少しずつ回復の兆しが見られる様になります。

身体症状の回復が先にたち、頭痛などの辛い症状がやらわぐ時期です。

実際に身体が軽くなる感じを受けるかもしれません。食欲や睡眠欲も回復して、体重も増え始めます。

いまだ、早朝覚醒や疲労感は残っており、精神症状は大きな改善を認めません。

改善と悪化のらせん状の変化を繰り返しますが、精神状態と身体状態とのギャップで焦りが見られることが多いです。

このころ、最も気を付けなければならないのは、自殺企図です。

以前は実行する力もありませんでしたが、この時期になると実際に実行に移してしまうことが多いと言われています。

第6ステージ

この段階になると、周囲への関心や興味が湧いてきます。

注意集中力も回復し、仕事もやれそうな感じが戻ってきていて、自信もついてきます。

睡眠状態も回復し熟眠感を得られるようになり、意欲も回復してきます。

一方で、回復後に一時的に症状が悪化するケースもあります。

このように経過を見て行けば、半年ほどでは多くの場合症状に前向きな変化が訪れ、1年前後ではよくなっていることがわかります。

実際に今、苦しくても、必ず治ることを信じて休養や治療に臨むことが大切です。

以下は、私がサポートしている患者さんの経過です。

うつ病で休職したAさんのケース

Aさんは元々仕事人間のほうでした。管理者として会社でも重要な役割を任され、毎日会社と家の往復、仕事のあとは関係者との接待の日々だったと言います。

与えられた仕事は熱心に、最後まで粘り強く取り組み、周囲の人たちとも調和を大事にしながら業務にあたっていました。

しかし、ある時期から抱えているプロジェクトが増えたことで毎日夜22時頃の帰宅となり、休む暇が無くなりました。

もともと睡眠時間も4時間や5時間でいいといっていたAさんでしたが、さらに短くなっていったそうです。

そんな中、身体的な病気を患ったことがきっかけで、仕事がうまく回せなくなっていました。

身体の病気の治療が本格的に始まってから3か月後、夜はよく眠れなくなっていきました。

集中力はなくなり、不安が増大し、気力がなくなりました。

通院しながらも仕事をしていましたが、出社すら辛くなって、心療内科を受診、うつ病の診断で会社を本格的に休職することになりました。

Aさんの妻は、あれほど仕事ばかりだった人が・・と驚いていました。

本人も「どうしてこうなったのかわからない」と戸惑いながら、家で療養する生活を続けました。

家にいる間は、「家にいること」自体が不思議で、違和感を覚えていましたが、少しずつ慣れていきました。

夫婦間の距離も落ち着いてきました。

「自分はもうダメだ」「仕事では必要とされないだろう」などとネガティブな発言が増えたり、一日中ベッドから起き上がれない日々もあって、妻も心配を募らせていましたが、その都度主治医から「これから良くなりますよ」と励まされ、なんとか乗り越えていきました。

本人も真っ暗なトンネルで出口が見えずに辛かったと仰っていました。

しかしそれでも時間が解決していきます。

半年ほど休職した頃、少しずつですが、肩こりや腰痛、めまいなどの症状は治まり、職場復帰のめども立ってきました。

半年前にはあれほど意欲もなくなっていた彼も、復職してから仕事に対する情熱が少しずつ戻ってきた、といいます。

今は、無理をしないように、生活リズムに気を付けながら、仕事も右腕になる人とともに分担して負担を少なくしながら仕事を続けています。

 

いかがでしたか?

この方は仕事人間で、休養すること自体が苦痛になっていたケースですが、薬物療法や休職、療養によってエネルギーを少しずつ回復させていきました。

6か月ほどで復職しましたが、まだ現在も通院して、予防的に薬物療法が継続しています。

家族は様々な身の回りのお世話をすることがありましたが、それよりもネガティブな発言や患者が何も一日しないでいることについて、「今後元に戻るのか。不安を感じている」と仰っていました。

闘病中の不安はつきものですが、今後の見通しを知ることでその時間経過をじっくりと待つことができ、落ち着いて対処できるようになります。

ぜひ、安心して闘病するために、病気の経過について、知識として情報として知っておいてほしいと思います。

他の病気もそうですが、まずその病気と闘う(もしくはつき合っていく)ためには、病気について知ることが大切です。対応方法を知っていれば大きな不安も、小さくすることができます。うつ病についてより詳しく知りたいばあいはこちらをご参照ください。

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